
SDGs債(さい)ってなあに?

SDGs(持続可能な開発目標)にまつわる「SDGs債」って何でしょう? 発行のお手伝いをしている大和証券に教えてもらいました。
- 証券会社の仕事
- 資産運用をお手伝いする仕事
- 社会課題に向き合う仕事
SDGs達成に向けてお金を集めるために、発行する債券(さいけん)だよ。
債は「債券」の略。会社が必要とするお金を集めるとき、銀行から借りる以外に、債券を発行してお金のある人(投資家)から借りる方法があります。投資家は会社や国がお金を借りた証明書として発行する債券を買うことで、お金を貸したことになります。国が発行する「国債」や、みんなが暮らす都道府県や市町村が発行する「地方債」も債券です。
債券の仕組み

約束の日(満期)までの期間に、決められた利子が支払われ、満期時には、貸したお金(額面金額)が戻ってきます。
※株のような大きな得は期待できませんが、安定しています。
SDGs債とは
SDGs債は普通の債券と違い、貧困などの社会課題や地球温暖化などの環境問題解決のための取り組みにお金の使い道を限定しています。SDGsの達成に向けてお金を集める債券なので、SDGs債と呼ばれます。
ウォーターボンド

アジアや太平洋地域の途上国での、安全な飲み水や衛生的なトイレ確保を支援
ワクチン債

世界の開発途上国の子どもたちの、予防接種活動を支援
グリーンボンド

再生可能エネルギー発電プロジェクトや自然に優しい建物づくりを支援
SDGsは、会社の「お金の集まりやすさ」を左右する!?
SDGsの意識が投資家にも広がり、最近はちゃんと社会や環境の課題解決に貢献している会社にお金が集まるようになってきました。
会社からすると、必要なお金を集めるために、SDGs達成に向けた取り組みについて情報発信することが重要になってきています。
また、投資した会社や投資に関する考え方をあまり明らかにしてこなかった投資家たちも、SDGs債については積極的に情報を開示しています。
証券会社はSDGs債を発行する会社をお手伝い
SDGs債にまつわる証券会社の大きな役割は、会社にSDGs債の発行を提案し、発行に必要な手続きを手伝い、販売することです。でも、そこにいたるまでは、証券会社の社員たちの総合力が問われます。資料やニュースなどを活用し、会社を調査・分析したり、ウェビナー(オンラインセミナー)を通してSDGs債を広く知らせたり。さまざまな部署の人たちと連携し、情報を共有しながら、SDGsに貢献するためにお金が必要な会社と、そういう会社にお金を貸したい投資家とをつなげています。

情報収集・分析

コミュニケーション

ウェビナー

商品・サービス開発


※『おしごと年鑑』(冊子版 P.187)で、SDGsの中央のアイコンに誤りがありました。正しくは上記の11です。
SDGs債が本当にSDGsの達成に向けた債券なのか、投資家たちも知りたいところです。債券を発行する際に、第三者が確認をしていますが、発行をしやすくするためのルール作りに向けた動きがあります。
好奇心と対話がSDGs達成のヒントになります
大和証券 デット・キャピタルマーケット第三部 SDGsファイナンス課
清水一滴さん 大辻󠄀稜一郎さん
大和証券は2018年に「SDGs宣言」を出しました。SDGsに取り組んでいく決意の表れが私たちの部署で、SDGsに貢献する商品やサービスを扱っています。SDGsといっても、17もあるSDGsの目標を実現するための手段はさまざま。そこでカギとなるのが、情報収集・分析や社内での対話です。自分だけでうーんと考えるより、いろんなアイデアが生まれます。この仕事は、好奇心を持つ人や、会社や投資家のニーズをくみ取るために会話を楽しめる人が向いているかもしれません。
SDGsって難しいと思いますか? でも、資源ゴミの分別なども立派なSDGs。それぞれが今できることに取り組んで、一緒に豊かな社会にしていきましょう!
SDGsは地球の未来につながります!
