
機内食にはどんな工夫があるの?

「機内食」は、飛行機に乗ったときの楽しみの一つですね。実は、機内食には、ふつうの食事と違う工夫がたくさんあります。航空会社のANAに教えてもらいました。
機内で食べるときに、最高においしくなるように、いろんな工夫をしているよ。
工場

作る
工場で丁寧に手づくり!
機内食は、空港近くの機内食工場でつくっています。工場でつくると言っても、実は手づくりの部分も多いんですよ。機内での食事は安全第一! 厳しい衛生基準に合格した食材を使い、異物などが混入しないようにしっかり検査をしています。
入室

調理

温度管理

異物混入対策

▲フードローダー車
機内食や飲み物などを冷蔵して運び、そのまま飛行機に積み込むための車両。

空港

積み込む
新鮮なまま飛行機へ!
フードローダー車は、飛行機の到着10分前までに空港で待機し、到着と同時に機内食を運び込みます。機内食は冷蔵されたまま、飛行機内のキッチン(ギャレー)の定位置に収められます。

▲荷台が持ち上がって飛行機のドアにそのままドッキングできるしくみになっている。

お客様へ
お食事をお楽しみください!
飛行機が離陸して飛行が安定すると、客室乗務員は機内食の準備で大忙し! エコノミークラスでは、オーブンで温めたメインディッシュをトレイにセットします。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、最高の状態でお客様にお出しします。
機内

エコノミークラスの秘密
機内食のヒミツ
いろんなお客様に対応!
健康のための心配りや宗教的な約束事のある人、小さなお子さんなどのために、特別な機内食も用意されています。

▲ユダヤ教のお食事は、特別なお祈りが捧げられており、しっかり封がされています。
機内食のヒミツ
実は、味付けもひと味違う!
空の上では、気圧の関係でいつもより味がわかりにくくなります。そのため、だしを強めに利かせるなどして、味を際立たせるようにしています。
ファーストクラス・ビジネスクラスの秘密

※写真は、ファーストクラスのお食事の一例。
機内食のヒミツ
くずれにくく、美しく!
機内の揺れでも、美しい盛り付けが崩れないような工夫がされています。例えば、野菜の下を切って転がりにくくしたり、ソースにトロミをつけて流れていかないようにしたりしています。

機内食のヒミツ
盛り付けは丁寧に!
機内で客室乗務員がきれいに盛り付けられるよう工夫されています。

機内食のヒミツ
お米を機内で炊いてるよ!
ファーストクラスでは、機内専用の炊飯器で、炊きたてのご飯をお出ししています。

ANAでは、「お客様とともに創る機内食」をコンセプトに、毎年「機内食総選挙」を行っています。全国の郷土料理を候補メニューにして、投票で上位だったものを実際に機内で提供しています。

2019年度の西日本・東日本のそれぞれ1位のメニュー。
きみはどっちが食べたい?
機内食のメニューを開発しています!
株式会社ANAケータリングサービス
調理統括室 清水 誠さん
機内食は、長時間のフライトのなかで、心安らぐ楽しい時間です。上空1万メートルの機内空間で召し上がっていただくので、食の安全が第一です。そのため、製造時間、保管温度など、徹底したルールの下で調理製造されています。厳しい制約のなかでのメニューづくりは困難な壁に何度もぶつかりますが、その壁を乗り越えてお客様に満足いただける機内食をつくり上げたときに、この仕事のやりがいを感じます。これから実現したい機内食は、天ぷらや豚カツのような〝サクサク〟とした揚げ物です。機内では、油と火を使った調理はできないので、本当にハードルが高いメニューですが、いつか、地上で食べるのと同じような〝サクサク〟の揚げ物をご提供したいですね。
自信作は「ANAハンバーグステーキデミグラスソース」です。ぜひ召し上がってみてください。
