
食卓に上がるお魚に、商社が関わっているってホント?

お魚に関わるのは漁師さんだけではありません。商社も、お魚を食卓に安全・安心な形で届けるために、あちこちで活躍しています。商社の業界団体、日本貿易会に聞きました。
- 世界各地で働く仕事
- 食べ物に関わる仕事
- 社会課題を解決する仕事
ホント。海の資源を守りながら、世界中の人々がお魚をいつでもおいしく食べられるように、お手伝いをしているよ。
マグロのお寿司や、鮭のおにぎりなど、お魚の料理っておいしいですよね。でも、お魚をめぐる環境は、年々と厳しくなっているって知っていますか? それでも毎日お魚を食べられるのは、海の資源を守り、お魚を育てて、品質と鮮度を保ちながら食卓にお魚を届ける持続可能な仕組みづくりに、商社パーソンが関わっているからです。
お魚をめぐるいろんな課題に、
「商社パーソン」が関わっています!

養殖・漁業

魚がとれない!
とる漁から「育てる漁」へ
天然マグロがとれなくなってしまった。困ったな…。


卵や稚魚から育てる養殖技術があります。一緒に取り組みませんか?
温暖化による環境変化、世界的なお魚の需要の高まりとそれに伴う乱獲などによって、とれる天然のお魚の数は減っていて、世界中でお魚を保護するためにとる量(漁獲量)を抑える動きがあります。
そのため、日本の商社が、国内や世界各地の養殖業者や研究者と協力して、海や陸上での養殖による「育てる漁」を進めています。陸上養殖は台風や赤潮などに影響されにくいので、将来的に安定した供給方法につながると期待されています。また、海面養殖では、お魚の卵から育てて、幼魚を養殖業者へ販売・育成することで、持続可能な水産業をめざす完全養殖が注目されています。

▲いけすを元気に回遊するクロマグロ=長崎県五島市
日本の商社が関わる養殖
(カッコ内は養殖している国)
- ■クロマグロ(日本)
- ■サーモン・マス(ノルウェー・カナダ・チリ・日本)
- ■エビ(タイ・中国・ベトナムなど)
- ■アワビ(アメリカのハワイ)
流通・加工

おいしく届けたい
AI(人工知能)が
おいしい魚か判断
おいしいマグロがわかる「目利き」の後継者がいない…。


AIでおいしいマグロを見分けられる技術を、企業と開発します!
揚がったお魚は魚市場で競りにかけられ、種類や品質によって価格がつけられます。最近は、マグロの切り身の画像を読み込むだけで、おいしいかどうかわかる技術が開発されました。そこにも、商社が関わっています。

新鮮に届けたい
低温で運ぶシステムをお手伝い
日本にお魚を届けたいけれど、暑い国だから新鮮なまま運べるかなぁ…。


新鮮なまま運べるように、冷凍輸送車や冷凍施設を用意します!
海外からお魚を運ぶとき、低温で運ぶシステムがないと、品質が落ちてしまいます。一貫して低温で運ぶ物流のことを「コールドチェーン」と呼びますが、商社は、そこにも関わっています。日本では「魚離れ」が言われていますが、海外では、和食ブームの影響で、お魚の人気が高まっています。
小売

エコな魚、どう伝える?
海の「エコラベル」活用
海の資源を守りながらとったお魚なんだと、知ってもらいたいなぁ。


水産物のための「エコラベル」がありますよ。
お魚の人気が高まるとともに、枯渇するまでお魚をとる乱獲が問題になっています。海の環境や資源に配慮してとったお魚だと証明するいくつかの認証制度があり、商社も活用しています。認証されるとラベルが貼られ、環境に優しい商品だと買い物客にも伝えられます。どこでとれたのかについても、さかのぼれます。
商社パーソンはあちこちで活躍しているんだね!

実は大活躍!世界中の「価値」を結んでいます
日本貿易会 広報・CSRグループ 高木美羽さん
お魚に限らず、皆さんの身の回りには、商社が関係している商品が実はたくさんあります。
ペットボトル入りの水や外国産の食べ物、洋服やかばん、家や町をつくる素材まで、商社が関わらないものはないといっていいくらいです。商社は、お客さんが望んでいることを叶えるために大活躍をしている会社です。人が何かしてほしいと考えるとき、その「何か」には価値(バリュー)がつきます。商社パーソンはそうした「バリュー」をチェーン(くさり)のようにつないで、お客さんの元へ届けるのが仕事です。人々の気持ちを一つひとつつないで世界中を結ぶ、とてもやりがいのある仕事です。
食の安定供給という未来のために、商社はがんばっています。
