
ガソリンはどうやって届けられるの?

車を動かすのに必要なガソリンは、石油(原油)からつくられます。では、石油はどこからどのように運ばれて、私たちに届くのでしょうか。石油に関するさまざまな仕事を行っている石油連盟に教えてもらいました。
- 石油の仕事
- エネルギーの仕事
- 世界と関わる仕事
ガソリンは、大昔の生物の死がいからできた石油(原油)を海外から船で運び、「蒸留」してつくる!
石油のもとは、今からおよそ2億5000万年から6500万年前のプランクトンなどの生物の死がいだと考えられています。生物の死がいが長い時間をかけて変化して液体の石油になり、世界各地の海底や地下にたまっているのです。


石油が生物の死がいからできているなんてびっくり!

海底や地下からとれた石油を「原油」といいます。地上に掘り出された原油は、石油会社のもとで、たくさんの人たちが関わり、私たちの家庭に届けられます。原油のほとんどは外国から輸入していますが、日本は海に囲まれているため、専用の外航タンカーが活躍し、安全に輸送しています。


日本に到着した原油を、石油会社の製油所にある、原油タンクにうつします。ただし、原油はそのままでは自動車の燃料として使えません。製油所では、高さ50mの大きなタワー「蒸留塔」が活躍します。ここで原油を加熱して液体から気体にし、冷やして再び液体にする「蒸留」という工程などを経て、ガソリンなどのさまざまな石油製品に作りかえているのです。

ガソリン以外にもいろいろな石油製品があるのね。

石油は「三つの働き」で私たちの生活を支えている
石油には、ガソリンのように「動かす力」、灯油のように「あたためる力」、ペットボトルなどの「原料」になるという三つの働きがあり、さまざまな形で私たちの生活を支えています。

原料 25.4%
ペットボトルやプラスチック製品、ゴム製品など、いろいろなものの原料になります。
ナフサ
あたためる力 25.4%
燃やした時に発生する熱で、体を温めたり、料理などに使ったりできます。
灯油 LPガス 重油
動かす力 48.4%
勢いよく燃やすと、乗り物を動かしたり、発電所のタービンを回したりする力になります。
ガソリン ジェット燃料油 重油 軽油

「石油製品を国内で運ぶ」
働く人たちと、しごとの工夫
内航タンカーの船員

製油所で作った石油製品を、小型の船に積み込み、船員が各地の中継基地へ運ぶ。早く確実に届けることができるよう、運ぶ順番やルートを検討する。
貨物列車(タンク車)/タンクローリーの運転手


石油製品を、製油所から直接まちのガソリンスタンドなどに運ぶときには、石油会社の車両が活躍する。輸送中や積み下ろし中に事故が起きないよう、運転手は常に決められた手順を守っている。
災害に強いエネルギー
石油連盟 広報室 安達宏さん
ガソリンや灯油、軽油などの石油製品は、常温・常圧で液体であるため、ためやすく、運びやすいエネルギーであることが大きな特徴です。そのため、道路が寸断されない限り、どこにでも運べる他、日本で消費される石油の200日分以上を国内に備蓄していることから、災害に強いエネルギーと言えます。石油連盟では、石油のこうした特徴や、重要性を伝えるため、子供向けのテキストやキッズサイトを作成しています。
授業でもお使い頂けるようにつくっています!
