
高速道路は、古くなったらどうするの??

日本に高速道路が誕生して50年以上が過ぎました。今では私たちの生活や経済活動を支えるうえで欠かせないものとなっています。しかし、年月とともに古くなり、傷んだ高速道路は、これからどうなるのでしょう? NEXCO東日本に教えてもらいました。
※NEXCO東日本は、東日本高速道路株式会社の愛称
ふだんの点検や修理とは別に、高速道路を抜本的に良くする「リニューアルプロジェクト」をおこなっているよ!

高速道路の今1老朽化が進んでいる!
下の図を見てみましょう。みなさんが車の運転免許を持てる年齢になった2030年、高速道路の8割は開通して30年以上と古くなっています(老朽化)。このまま放置していると、老朽化した高速道路ばかりになってしまいます。
高速道路が開通してからの年数の推移
(NEXCO東日本管内の場合)
今でも開通してから30年以上の
道路が約4割あるのに……

約十数年後にはなんと
8割が古い道路に!!


古い高速道路だらけになっちゃうんだー!!

高速道路の今2老朽化が早まる原因とは?
高速道路の老朽化は、大型車が増えるなどといった原因も加わり、さらに早まっています。

▲老朽化の例:道路の表面のコンクリートがこわれている。コンクリートの中に入れた鉄筋がサビている。

▲老朽化の例:トンネル内の道路の下の部分が持ち上がり、道路にひび割れが起きている。
老朽化の原因①
大きな車が増え、重さが負担に

▲開通したころに比べると、トラックなどの大型車がとても多くなった。そのため、道路にかかる重さが全体的に増え、老朽化が加速している。
老朽化の原因②
やたらと重い、違法の車

▲荷物などを積み過ぎて、重量オーバーの大型車。違法なので走っている数は少ないにもかかわらず、道路には想像以上の負担がかかっている。
老朽化の原因③
「凍結防止剤(塩)」によるサビ

▲道路が凍るのを防ぐためにまく凍結防止剤の正体は塩。塩が橋の鉄筋をサビさせている原因のひとつになっている。
老朽化の原因④
気象の変化や厳しい自然

集中豪雨によって、道路が崩れる

塩水の影響を受ける、海岸線沿いの道路
▲高速道路が開通したころに比べて、集中豪雨の発生回数が増加するなど、気象の変化が起きている。また、海岸沿いの風や波といった厳しい自然も、道路を傷める原因になっている。

高速道路の未来 リニューアルでさらに良くなる
古くなった高速道路を、最新の材料や技術によって高い性能をそなえた高速道路に更新することを「高速道路リニューアルプロジェクト」と呼んでいます。このプロジェクトによって、高速道路は新しくなり、長持ちするようになります。

どんなプロジェクトか
見てみるケモ!



▲通行する車を支えている床版を、より長持ちする高性能のコンクリート床版に取り替える。

▲コンクリート床版を取り替えたり、高性能の防水層をつくる。これで、老朽化をおさえることができる。

▲金属疲労を起こしてヒビが入った桁を補強する。
道路の斜面
グラウンドアンカーの施工


▲道路の斜面には、土を崩れにくくするグラウンドアンカーという船のイカリのような金属が打たれている。腐りにくいグラウンドアンカーを新しく打ち足していく。
トンネル
インバート設置

▲さまざまな方向から力がかかっているトンネル。トンネルの底面をコンクリートでつなぐ(インバートの設置)と、より強い構造になり安定性が高くなる。
高速道路は生まれ変わります!
NEXCO東日本
保全部保全課 松本大輔さん
NEXCO東日本では、「高速道路リニューアルプロジェクト」の取り組みを進めています。古くなったり大きな車が増えることで傷んだ高速道路は、これまでは部分的な補修を繰り返してきましたが、それでは改善できません。高速道路リニューアルプロジェクトでは、最新の材料や技術で橋を架け替えるなど抜本的な補修を行うことにより、高速道路の寿命を延ばすことができます。しかし、通常の工事に比べ大規模な規制を行うこともあり、ご迷惑をおかけすることもあります。 「安全」「安心」「快適」「便利」な高速道路を将来にわたって長くご利用していただくために必要な工事ですので、ご理解・ご協力、よろしくお願いします。
みなさんが運転するころに
は、今よりもっと安全で快適
な高速道路になっています!
