海のごみはどこからやってくるの?

日本財団

海岸に流れ着いたり、漂ったりしているごみが問題になっています。世界中の海に広がっているごみはどこからやってきているのでしょうか。海洋ごみ問題に取り組んでいる日本財団に、海のごみについて聞いてみました。

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海洋ごみの7~8割は町(陸)からのごみなんだよ。

海岸に流れ着いたり、漂ったりしているごみが問題になっています。こうしたごみはどこから流れ着いているのでしょうか?実はこうしたごみは海の向こうからやってくるのではなく、7~8割が私たちが陸で出しているごみなのです。軽い気持ちで町に捨てられたペットボトルや空き缶などが、川や水路を伝って日本の海に流れ着きます。海はつながっているので、世界中に広がっていきます。海洋ごみの問題は、日本だけでなく世界中の問題なのです。

海に流れ着いてしまったごみ

海に流れ着いてしまったごみは、潮の流れに乗って、世界中の海に広がってしまう。また海に流れ出たごみは、魚や海鳥などの生物にも悪い影響を与える。

ユイ

海のごみは世界中の海に広がってしまうのね。

一度海に流れると400年以上も漂ってしまうごみもある!

紙・木のごみ

紙・木のごみ

レジ袋など

レジ袋など

アルミ缶

アルミ缶

プラスチックのフタ

プラスチックのフタ

プラスチックボトル

プラスチックボトル

海に流れ着いたごみの中には、長い時間漂ってしまうものもあります。ごみの種類によって、その時間の長さが異なります。海洋ごみの中で多いのはプラスチックであることを示すデータもあり、中には400年以上も海を漂い続けるものもあります。

海洋ごみの大半はプラスチック!

海洋ごみの大半はプラスチック

海洋ごみを減らすためにどんなことができる?

海に流れ出るごみをこれ以上ださないようにするにはどのようなことができるでしょうか?誰かがやるのではなく、ひとりひとりが、「ごみを出さない」「ごみを捨てない」「ごみを拾う」という行動を起こすことが大切です。日本財団の海洋ごみ対策プロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」では海洋ごみをなくすためにいろいろな取り組みを行っています。

1 ごみを拾う取り組み

ごみを拾う取り組み

企業や自治体、スポーツチーム、NPO団体などと協力して、町や海などで、ごみを拾う清掃活動を実施します。こうした活動を通して、ごみを捨てない意識を広めます。

2 リサイクルをもっと進める

リサイクルをもっと進める

大手コンビニエンスストアと連携して、ペットボトルを入れることでポイントがたまる回収機を設置。ポイ捨てを減らすとともに、使用済みペットボトルを新しいペットボトルにして再利用できるようにします。

3 海洋ごみを調査する

海洋ごみを調査する

海に流れ着いたごみや、河川近くのごみなどの調査によって、どんなごみが多いのか、どこで発生するのかなどを調べます。そして発生を防ぐ方法を考える材料にします。

マイクロプラスチックって?

海を漂うプラスチックは太陽の光があたるなどするともろくくずれやすくなる性質があり、直径5mm以下のものはマイクロプラスチックと呼ばれます。魚や動物プランクトンが餌と間違えて食べてしまうことがあり、その魚を人間が食べることで私たちの体にプラスチックが入ってきてしまいます。人体にどのような影響を及ぼすのかわかっていないことも多いことから、国内外の研究者や大学と協力してこの謎を解明する取り組みも進めています。

マイクロプラスチック
全国で一斉に清掃!
海ごみゼロウィーク

環境省などと協力して5月30日(ごみゼロの日)から6月8日(世界海洋デー)前後までを『春の海ごみゼロウィーク』、9月中旬の「ワールドクリーンアップデイ」から1週間程度を『秋の海ごみゼロウィーク』とし、日本全体で協力して海洋ごみを減らすための取り組みを行っています。

これ以上海にごみをださない取り組み

答えてくれた人

日本財団 海洋事業部 宇田川貴康さん

近年、海洋ごみによる海の汚染がもたらす、人々の生活や健康への影響が心配され、早急な対応が求められています。日本財団では、国民ひとりひとりが海洋ごみの問題を自分のことのように考え、「これ以上海にごみをださない」という社会全体の意識を高めるための取り組みを行っています。四方を海に囲まれている日本から、この問題の解決策を世界に発信して国際社会でのリーダーシップを発揮していきます。

よく見るポイ捨てご
み。海に意地悪する
と、いつかしっぺ返
しを食らうときが来
るかもしれません。

答えてくれた人