食器づくりから生まれた暮らしを支える技術って?

ノリタケカンパニーリミテド

洋食器で有名なノリタケ。実は食器以外にも、毎日の暮らしや地球の未来に役立つものをつくるためにノリタケの製品や技術が活躍しています。ノリタケに教えてもらいました。

自動車、スマートフォン、食品などをつくるための材料や工具や、装置、材料もつくっているよ!

みんなが毎日使う食器。その多くは、石や粘土を練り固め、焼いてつくる「陶磁器」です。陶磁器は、材料を混ぜる、形をつくる、模様をつける、高温で焼く……などさまざまな工程を経て作られます。洋食器づくりに100年以上の歴史を持つノリタケは食器づくりでつちかった技術を他の分野でも生かしています。

コーヒーカップができるまで

1 砕いた石と粘土を混ぜる

2 形をつくる

3 窯に入れ、1250度で焼く(1回目)

焼く(1回目)

ここから超技術!

焼く

食器を作るには「焼く」という工程が欠かせません。ノリタケでは陶磁器を「焼く」技術を生かし、パソコンなどに入っているリチウムイオン電池の材料を製造したり、おせんべいなどを焼くための焼成炉を作っています。また、この技術を応用して、タッチパネルの部品を作る加熱装置も作っているんですよ。

焼成炉

4 うわぐすりをかける

5 窯に入れ、1150度で焼く(2回目)

6 転写紙をはり、模様をつける

転写紙

ここから超技術!

模様をつける

食器に美しい絵柄をつけるには、絵の具の開発や、模様を印刷した転写紙をつくる技術も必要です。これらの技術は、電子部品の回路や電池の電極となる、金属の粉を混ぜ合わせた電子ペーストに生かされています。転写紙はヘルメットやスポーツ用品に模様をつける時に使われています。

模様をつける

7 窯に入れ、850度で焼く(3回目)

8 糸底やふちをなめらかにけずる

けずる

ここから超技術!

けずる・みがく

食器のふちや糸底を滑らかにするために、ノリタケは陶磁器用の砥石をつくるようになりました。今では、それを発展させて自動車のエンジン部品や注射針の先端など、大きなものから小さなものまで、さまざまなものをけずったりみがいたりする工業用の砥石を製造しています。

砥石
完成

時代に合わせて進化を続けています

答えてくれた人

株式会社ノリタケカンパニーリミテド
開発・技術本部 商品開発センター 加藤夕子さん

一般的にノリタケは、明治時代からの伝統を重んじる、洋食器の会社だと思われているかもしれません。でも、実は洋食器づくりを極める過程で生み出したさまざまなテクノロジーを生かし、食器以外の分野にもどんどん進出しているんですよ。 私は、電子部品などに使われる電子ペーストの開発をしていますが、そのルーツは、食器に使う絵の具の技術です。これまでも、ノリタケは時代の変化に合わせて、自分たちの持っている技術を応用し、事業を広げてきました。私も、歴史ある会社の新たな未来をつくっているという自覚と誇りを持ち、毎日仕事に取り組んでいます。

身近な「不思議」を大切にしてくださいね。ふと思いついた疑問や発見が、将来の仕事につながるかもしれませんよ。

ノリタケカンパニーリミテド 加藤夕子さん