
江戸城が復活したってホント?

まるで本物のように目の前に登場したリアルな江戸城。一体どうやって再現したんでしょう? 印刷技術を生かした最先端のVR技術をもつ凸版印刷が、VRについて教えてくれました。
VR(バーチャルリアリティー/仮想現実)技術を使って復活させたよ!
今はもうない建物や実際に入ることが難しい遺跡など、さまざまな文化財をVR技術でリアルに再現するトッパンVR。あらゆる角度から見られるように詳細につくっているので、コントローラーなどを使って、自由に好きなところを見たり、近寄って見たりすることができます。


まるでタイムスリップしちゃったみたい!

VR作品『江戸城の天守』
製作・著作:凸版印刷株式会社
文化財や建物が、本物みたいに再現されるのはなぜ?
凸版印刷のVRの特長は、神社やお寺など歴史的な建築物や貴重な文化財を、最新のデジタル技術を用いて色や形、表面の情報を正確に記録し、そのデータを用いて再現しているところです。今はなくなってしまった建築物も昔の資料や伝統技術を参考にし、大勢の専門家の力を借りることで、より本物に近づけることができます。

撮影
▲高精細な写真撮影を行い、ひび割れや筆のタッチなど、細かく記録します


立体形状計測
▲触らずに立体の形状を記録できる機械を使い、文化財を傷つけずに形状を細かく記録します


色彩計測
▲文化財がもつ色を正しく記録します


学術的監修
▲建築や細工、歴史などさまざまな分野の専門家による、厳しいチェックやアドバイスを受けます


▲記録したデータを基に、CG(コンピューターグラフィックス)で再現。まるで本物が目の前にあるかのような、リアルな世界が出来上がりました
VR作品『日光東照宮国宝陽明門』
製作・著作:日光東照宮/
凸版印刷株式会社
協力:日光東照宮
VRはどんなことに役立つの?
トッパンVRは貴重な建築物や文化財を精確に記録したデータを用いて、大学の先生や文化財の所蔵者などの専門家の監修を受けながら再現をしています。大きなスクリーンに投影し自由に動かしながら文化財や建築物などをじっくり鑑賞したり、文化財をより理解するための教材として活用できます。また、実物の色や形を忠実に再現しているからこそ、自然災害で被災した文化財の復興・復旧支援などにも活用でき、文化財を後世に継承していくこともできます。

▲専用のシアターでは、大きな画面や音響の効果によって、より臨場感をもってVRの世界を楽しむことができるよ
VR作品『故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》』
製作・著作:故宮博物院/凸版印刷株式会社
被災した建物の復元に!

▲VR作品『熊本城』を制作した際に撮影した約4万点の画像を、地震で被害を受けたお城の復旧支援に活用しているよ
VR作品『熊本城』
製作:熊本城観光交流サービス株式会社 制作・著作:凸版印刷株式会社
文化財の新しい鑑賞方法にも!

▲東京国立博物館の文化財を記録しVR技術で再現。画面の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できるよ
TNM & TOPPANミュージアムシアター
VR作品『洛中洛外図屛風 舟木本』
監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社
スマホアプリでVR旅行
「文京区デジタルジャーニー」は、日本の観光をサポートするスマホアプリ「旅道®-TABIDO-」を使って、文京区内の観光スポットのVR体験を楽しめるサービスです。アプリをダウンロードして、下のARマーカーにスマホをかざしてみよう!
「協力:文京区」


「旅道®-TABIDO-」はここからダウンロード!
VRでしか再現できない世界を作っています
文化事業推進本部 コンテンツ企画部 遠藤志津子さん
昔の人が作った建物や美術品には、素晴らしいものがいっぱい。でも形があるものはいつか失われてしまうかもしれません。私たちはこうした文化財を、VRの世界で保存したり、再現したりしています。VRの特長は、ただ映像を見るだけでなく、自分で視界をコントロールして、好きなところを好きなように見ることができるところ。現存しないものを細部まで再現しなければいけない時は大変ですが、美術や歴史や建築などさまざまな分野の専門家の協力を得て作りあげていきます。
私は今、東京国立博物館と共同で、VRを使った文化財の新たな楽しみ方について考え、博物館内にあるシアターでその成果を公開する仕事をしています。VRでしかできないことを考え、形にしていく中で、さまざまなことについて学ぶ楽しさが味わえる、とても素敵な仕事ですよ!

VR作品『風神雷神図のウラ −夏秋草図に秘めた想い−』
監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社
VRはこれからますます発展していく技術!
視覚だけでなく、五感すべてを使ってどんなことができるか、考えています。
