
「最高の職業」につくには?

算数や数学って、将来、何の役に立つんだろうと思ったことはありませんか? じつはアメリカでは、数学を使った職業がとても人気があるのです。算数検定・数学検定を実施する、日本数学検定協会に教えてもらいました。
アメリカの「最高の職業」トップ10は、数学が関係する職業がほとんど!
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- 聴覚専門医 (聴覚の障害を診断する専門医)
- 超音波検査士 (病院などで超音波検査をする技師)
- 数学者 (数学を研究する学者)
- ソフトウェア・エンジニア (コンピュータープログラムをつくる技術者)
- コンピューターシステム・アナリスト (コンピューターシステムを管理・分析する専門家)
- 言語療法士 (言語に障害がある人を訓練する専門家)
- アクチュアリー (数学を使って保険の商品を開発する仕事 )
※ランキングは、アメリカの求人情報サイト、キャリアキャスト・ドットコムが2016年に発表したもの。所得や将来性などをもとに算出されている。
数学を使えば、仕事も世界もこんなに変わる!
数学は、社会のさまざまな場所で使われています。数学を仕事に生かして、世の中を大きく変えた例を紹介します。
2010年ごろ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は入場者数が落ち込んでいたため、新しくハリー・ポッターのエリアを建設し、入場者数を回復しようと考えました。しかし、エリアの建設には巨額のお金が必要で、もし入場者数が増えなければ大損害をこうむります。このとき力を発揮したのが、数学(統計学)でした。 統計学を使って入場者数を予測したところ、「日本の全人口の90%が、USJにハリー・ポッターエリアができることを知れば、入場者数が200万人以上アップする」ということがわかりました。この予測をもとに、USJはハリー・ポッターエリアの建設を決断。結果として、飛躍的に入場者数を増やすことができました。

▲ 成功のためには、「ハリー・ポッターエリアができることを、日本の90%以上の人が知る」必要があったので、さまざまな告知イベントをおこなった。
※参考 森岡毅・今西聖貴著『確率思考の戦略論USJでも実証された数学マーケティングの力』(角川書店)
「Google」は、世界でいちばん使われている、インターネットの検索サイトです。Googleが、膨大な数のサイトの中から、検索キーワードに関連性の高いサイトを見つける方法は、数学(線形代数や確率)がベースになっています。

Googleは検索結果を表示するために200以上の手がかりとなる「指標」を使っている。この指標の中でも有名なのがページランクで、あるページがどんなページからリンクされているかや、リンクの量などを総合的に判断して、ページの重要度を判断する。これは科学の論文の重要度を測る時の考え方を、数学で表したものだ。
数学が関係してるって知らずに使ってたよ。

STEM教育とは、科学や数学を重視して科学技術能力を伸ばす教育のことで、アメリカやシンガポールで推進されています。オバマさんがアメリカ大統領だったときに重視したのも、このSTEM教育でした。

※STEMは、それぞれの英語の頭文字を取ったもの。
「できた!」が増えると、もっと楽しくなるよ!
公益財団法人 日本数学検定協会 事業開発部
藤原綾依さん
数学を学ぶということは、自分が使える武器を増やすということだと思います。統計を使えば、部活の成績が上がるかもしれないし、図形の知識があれば、もっといい絵が描けるかもしれません。 数学が使われていることを見つけるだけではなく、自分で数学を使えるようになると、普段の生活がより楽しく充実したものになります。ぜひみなさんも、算数検定・数学検定にチャレンジしてみてください。合格という目標をたてて、がんばって算数・数学を 学習したことが、合格という成果につながります。「合格した!」「できた!」が増えると算数・数学の学習はもっと楽しくなりますよ。

▲ 算数検定・数学検定に合格すると、こんな合格証がもらえるよ!