色のユニバーサルデザインって何?

内閣府認定 公益社団法人 色彩検定協会

ユニバーサルデザインとは、みんなが使いやすいデザインのことです。色にもみんながわかりやすいデザインがあります。これを色のユニバーサルデザインといいます。色彩検定協会に教えてもらいました。

誰にでも分かりやすい色づかいや工夫をすることだよ。

人の目はどうして「色」が見えるの?

まずは、ものが見えるしくみについて見てみましょう。光は、目の角膜や水晶体を通って曲がって進み、目の奥の網膜にうつります。

ものが見えるしくみ

ものが見えるしくみ

網膜に色を感じる細胞がある

網膜には、光の色の違いを感じる「すい体細胞」と、弱い光も感じられる「かん体細胞」の二つがあります。すい体細胞は3種類で、赤い色を感じるLすい体、緑の色を感じるMすい体、青い色を感じるSすい体があります。すべての色は、赤、緑、青の三つの光のかけあわせでできているので、三つの光の色を感じるすい体細胞で、すべての色を見ることができます。

「目」で見ているのではなく
「脳」が見ている!

目の奥の網膜にうつった像は、視神経を通って脳に伝わります。二つの目から入った像は、脳で一つにまとめられて立体的に見えます。

細胞で色を感じ取って、それを脳が見ているってことか!

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いろんな血液型の人がいるように、
色の見え方にも「個性」がある!

目の網膜にある、赤、緑、青の三つの光の色を感じるすい体細胞は、人によってどれかの働きが弱いことがあります。これは背が高いとか低いとか、血液型が違うというのと同じように、人それぞれの個性です。ただ、すい体細胞の働きが弱いと、見分けにくい色の組み合わせが出てきます。とくに赤と緑、赤と黒などが見分けにくいという人がたくさんいます。

色だけで看板やサインをつくると、
分からなくなることがある!

町の中には、人に何かを知らせるための看板やサインがたくさんありますね。一般的に赤は目立つ色と考えられているので、目立たせたいところに赤が使われることが多くあります。でも、赤と緑が見分けにくい人にとっては、赤は見つけにくいのです。

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「赤なら目立つ」というわけじゃないのね

そこで、みんなから「読みやすくて、区別のしやすい色を使う」ことが大切です。また、色だけで知らせようとするのではなく「文字を入れて意味を伝える」などの工夫も必要です。このように、誰もが見やすいように工夫しようという考え方が「色のユニバーサルデザイン」です。

色のユニバーサルデザインの考え方

赤をとらえにくい人に分かりづらい看板なども、工夫すれば分かりやすくなります。

分かりづらい

分かりづらい
分かりづらい
矢印
矢印

色と色の間に白線を入れると見えやすくなる

文字を入れて意味を伝えると分かりやすくなる

矢印
矢印
分かりやすい
分かりやすい

分かりやすい

分かりづらい

分かりづらい
分かりづらい
矢印
矢印

赤色をオレンジ色に変えると見えやすくなる

黒板に赤いチョークは避けて、白や黄色のチョークを使う

矢印
矢印
分かりやすい
分かりやすい

分かりやすい

誰でも分かる色のユニバーサルデザインで暮らしやすい社会にしたい!

答えてくれた人

公益社団法人色彩検定協会
検定推進本部 山中雄市さん

色のユニバーサルデザインは、今のところまだそれほど社会に広まってはいません。「誰もが見やすい色を使おう」という色のユニバーサルデザインの考え方が広まれば、将来、みんなに優しい暮らしやすい社会になると思います。まずは今の社会で「色を使う立場の人たち」に色のユニバーサルデザインの考え方を理解してもらうことが大切だと考えています。私たちは色のユニバーサルデザインをどんどん広めていきたいと思っています。そこで私たちは2018年の冬から「UC級」という新しい級をはじめます。UC級は色のユニバーサルデザインをしっかり理解していることを証明する試験です。UC級の詳しい情報は、ホームページを見てね!

色のユニバーサルデザインをみんなに知ってもらいたいな

公益社団法人 色彩検定協会 検定推進本部 山中雄市さん