
洗剤はどうやって作られているの?

わたしたちの清潔な暮らしに、洗剤は欠かせないものです。地球上に暮らす70億以上の人々がこれからもずっと洗剤を使うためには、どうすればいいのでしょうか。約130年もの長いあいだ、せっけんや洗剤を作り続けている花王に教えてもらいました。
世界中の人たちがこれからも清潔な暮らしができるように地球の環境を考えてつくっているよ!
世界中の人たちが、これから先もずっと清潔な暮らしを送るためには、地球の環境を守りながら洗剤をつくり続けることが大切です。洗剤の製造から、おうちで使われるまでのあいだに、どれだけ環境を守るための工夫をしているのか、見ていきましょう。
洗剤の原料になるアブラヤシをしぼる
アブラヤシを収穫し、果実や種から油をしぼる。

1 材料を選ぶときの工夫
森を守りながら育てた原料だけ使う
アブラヤシが育つ熱帯地域の森林は、多くの生き物のすみかであると同時に、地球の二酸化炭素を吸収する役目も果たしています。そのため、森林を守りながら栽培されているアブラヤシだけを原料にしています。

▲アブラヤシ
今まで使うのが難しかった原料を使えるようにした!
これまで、洗剤の洗浄成分は、アブラヤシの種からつくられていました。アブラヤシの果肉からは、主に食用にされるパーム油がとれますが、この油をしぼったあとの部分は、洗剤の原料としては使うことが難しかったのです。しかし、長年、研究を重ねることで、この部分から、新しい洗浄成分を生み出すことができたのです。


原料をムダなく使っているのね!
洗剤の原料(洗浄成分)をつくる
絞った油などから、洗浄成分(界面活性剤)をつくる。

2 つくるときの工夫
水も空気も汚さないようにする
洗剤の工場では、できるだけ太陽光発電などの再生可能エネルギーを使用しています。また、洗剤をつくるときに出る排水は、きれいな状態にしてから海に戻しています。

魚がすめるほどきれいな水にしているケモ!


洗剤をつくる
洗浄成分にほかの原料を混ぜ合わせて、洗剤をつくる。
お店へ運ぶ
できあがった洗剤をお店に届ける。

3 運ぶときの工夫
CO2の排出量を少なくしよう!
できた洗剤を運ぶときにも、環境のことを考えています。たとえば1トンの貨物を1km運んだときに出るCO2(二酸化炭素)の量は、船だとトラックの1/6、鉄道だと1/11になるといわれています。そこで、できるだけ、鉄道や船を使って製品を運ぶようにしています。

イオンと花王で共同配送
例えば、同じ鉄道貨物用のコンテナを使って、行きはイオン、帰りは花王の荷物を運ぶことで、効率よく輸送することができる。

ちょっとした工夫で、こんなに変わる!
花王では、以前は段ボールに詰め替え用製品を入れるとき、縦向きに入れていました。でも、あるとき、よりよいつめ方を研究していた人達が、製品を横向きに入れることを思いつきました。そこで、横向きに入れてみると、袋がぺちゃんこになって、すきまなく入るので、より小さな段ボールに納めることができたのです。さらに、そのあと、縦にすると、箱の中で製品が安定するので、それまで使っていた仕切りの段ボール紙もいらなくなりました。これにより、一度に運べる量が増え、エネルギーの節約になるとともに、段ボールなどの使用量も減らすことができたのです。


すごいアイデアだね!
おうちで使う
洗剤を使って、お洗濯!

4 使うときの工夫
洗濯に使う水を減らす
一般的な洗剤は、洗濯のときに、すすぎが2回必要でした。そこで、2009年に、すすぎが1回で済むタイプの洗剤を開発。洗濯に使う水をグッと減らせるようになりました。

※全自動洗濯機の場合。水の使用量は洗濯機によって、異なります。
5 使い終わったときの工夫
ゴミを減らす
洗剤を詰め替えて使うことで、本体容器を繰り返し使うことができ、詰め替えたあと、捨てるゴミの量も大幅に減らすことができます。

「未来の洗濯のあり方を変えたい」という願いから生まれた洗剤です
花王株式会社 コンシューマープロダクツ事業部門
ファブリックケア事業部 開発マネジャー 水澤公宏さん
衣料用洗剤として、多くの皆さんに使い続けていただいてきた「アタック」を、時代と共に変化する洗濯習慣や衣類の特性をもう一度とらえ直して、これまで以上に「生活者」に寄り添ったものに生まれ変わらせたいと考えて、誕生したのが「アタックZERO」です。「家事をできるだけ効率的にこなしたい」、「環境のことも考えた製品を使いたい」、保温性や速乾性などの特徴を持った機能性衣料を「清潔に保ちたい」、といった希望をかなえようと、約2800人もの生活者の声を聞き、社内のいろいろな部門の人と協力して、試行錯誤を重ねて、つくり出しました。
これからも、未来を担う子ども達に恥じないよう、世界中の人が将来にわたって、お洗濯ができるように考え続けます。
