
羽毛ふとんには、何が入っているの?

普段みなさんが使っている羽毛ふとんには、どんな特徴があるのでしょう? 454年の歴史を持つ西川株式会社に、羽毛ふとんについて教えてもらいました。
水鳥の羽毛が入っているよ!
羽毛ふとんには、グース(ガチョウ)とダック(アヒル)の、2種類の水鳥の羽毛が使われています。
羽毛の保温力は、水鳥の身体が大きいほど高まります。ですから、ダックよりも身体の大きなグース、そして成長したマザーグースのほうが、より保温力の高い立派な羽毛を持っています。

水鳥は、大人になるほど、身体も羽毛も大きくなるそうよ

羽毛の呼び方は生えている場所で違う
「羽毛は、生えている場所によって呼び方が異なります。羽毛ふとんには、胸の部分に生えている「ダウン」と、お腹の部分に生えている「スモールフェザー」が使われます。


❶ダウン
胸の部分に生えている、羽軸のない羽毛。タンポポの綿毛のようにフワフワしています

❷フェザー
翼の部分に生えている、羽軸のある羽毛。羽毛ふとんには使用しません

❸スモールフェザー
腹の部分に生えている、細い羽軸のある羽毛。ダウンと一緒に羽毛ふとんに使用されます
ダウンが大きいほど保温力が高い
じつは、羽毛自体は暖かくありません。私たちが眠る時、身体から熱が逃げていきます。その熱を羽毛ふとんの中に入っているダウンがキャッチしてくれるので、羽毛ふとんは暖かく、軽くて気持ちがいいのです。ダウンが大きいほど、暖かい空気をたくさん含むことができます。
また水鳥の羽毛は、吸放湿性にも優れています。人は冬の寒い時期でも、寝ている間にコップ1杯分ほどの汗をかきます。その汗などの湿気を羽毛が吸って、外に放出してくれるので、ふとんの中を快適な状態に保てます。

より保温効果の高い羽毛ふとんを作るために
水鳥から集めたばかりの原毛は、臭いの元となる油脂分や、細かいゴミなどが残っています。より保温効果の高い羽毛ふとんを作るには、これらを取り除く洗浄を行い、その中から質の良い羽毛を選別していきます。
西川では、より質の高い羽毛を作るため、独自の基準による洗浄と加工を行っています。
よりキレイに洗う
洗い終わった水が透明に近づくまで、洗浄をくり返します。西川では、基準を通常の2倍の厳しさで設定し、よりキレイに羽毛を洗浄しています。

よりふっくらした羽毛を選ぶ
洗浄され、本来のふくらみを取り戻した羽毛は、再び羽毛選別機にかけられます。羽毛ふとんに使うことができる羽毛かを確認するためです。西川では、この工程を行うことで、より良質でふっくらみがきあげられた、キレイな羽毛を選び出しています。

同じ重さの羽毛を比べてみると、ふっくら感がこんなに違います
これが西川の羽毛ふとんのヒミツなんだケモ

ふとんのお疲れ様チェックをしてみよう!
羽毛ふとんは、長く使い続けているうちに、素材などの劣化によって快適な睡眠環境を保てなくなってしまいます。あなたのお家の羽毛ふとんは大丈夫か、お疲れ様チェックをしてみましょう!
一つでも当てはまったら、替え時もしくはリフォームの時期かもしれません。
チェック❶

買ってから10年以上たっている
チェック❷

ボリュームがなくなってきた
チェック❸

西川の羽毛ふとんはかたよらない工夫がされてるものもあります
羽毛がかたよりへたってきて寒い
チェック❹
カバーを外すと中に羽毛が付着している
チェック❺
ふとんの生地が傷んできた
チェック❻
汗や皮脂で汚れている
チェック❼
においが気になる
ぐっすり眠るための寝具を作っています
西川株式会社
スリープマスター 小切山仁恵さん
眠っている時の身体は、みなさんが翌日も元気に活動するための、いろいろな働きをしてくれます。ですから眠ることはとても大切です。良い眠りのために必要なことは、睡眠時間を十分に確保する、寝室の作り方を工夫する、入眠の際のポイントなどいくつかありますが、寝具選びも重要になります。
今回ご紹介した羽毛ふとん、お手入れの方法は知っていますか? 羽毛ふとんは吸放湿性に優れているため、月に1〜2度程度風通しのいい日陰に干して、湿気を逃してあげましょう。日に当てる時は、ふとんの生地の傷みや汚れを防ぐためカバーをつけてくださいね!
羽毛ふとんには、卵や食用として育てられている水鳥の羽毛が活用されているんですよ。
