
カシミヤはどうして肌触りがいいの?

冬に大活躍のセーターには種類がいっぱい。特にカシミヤのセーターは、肌触りがうっとりするほどよいことで知られています。どんなふうに作られているのでしょう? 髙島屋に教えてもらいました。
1本の毛がほかの動物の毛よりも細いので、よりやわらかく、しなやかな糸が作れるんだ。

カシミヤは、ぼくたちカシミヤ山羊の毛から作られるよ。
「繊維の宝石」とも呼ばれるカシミヤ。軽くてやわらかく、保温性や通気性にも優れており、冬の衣類として大人気です。髙島屋では、毎年冬になると、オリジナルのカシミヤセーターを販売しています。カシミヤのセーターがお店に並ぶまでを、見てみましょう。
企画会議をのぞいてみよう
髙島屋でカシミヤ製品の販売が始まるのは、だいたい11月ごろ。新商品の企画会議は、その1年前、11月中旬くらいから始まります。
若い人向けに人気のデザイナーにデザインをお願いしてみては?
今年の流行色は、取り入れていきたいね。

ボーダー柄にして、カシミヤのカジュアルな着こなしを提案したらどうかしら。
定番のセーターやカーディガンは、今年もみんな待ってるよ。

企画ができたら…

サンプルを作って全国18店舗の担当者に見てもらい、意見をもらいます。

今年のカシミヤはこれで決まり!

担当者の意見をもとに修正し、ラインアップを決定。工場で量産します。
どんなデータをもとに会議をするの?
商品企画に欠かせないのが、さまざまなデータ。過去の売れ行きやお客様の声、世の中の流行など、さまざまな情報を集め、今年はどんな製品だったら人気が出るのか、考えます。
過去の売れ行き

これまでどんな商品がどれだけ売れたかは、とても大切な情報。毎年人気の色や形は、定番商品として、定着していくよ
前シーズンの人気商品

前シーズンにとてもよく売れた商品は、要注意。似たようなものを出すと昨年と代わり映えせず、飽きられてしまう危険も
世の中のトレンド

世界中で開かれるファッションショーなどの情報をキャッチして、色やデザインの流行を先取り!
カシミヤのセーターができるまで
髙島屋のカシミヤセーターは、中国でカシミヤ山羊の毛を買い付け、製造から販売まで全てを自社で行っています。セーターができるまでの過程を見ていきましょう。

▲カシミヤ山羊の毛を刈り取り、毛糸の材料にする


▲毛をよく洗い、ワタにする


▲ワタを紡いで糸にし、さらにその糸をより合わせて長い毛糸にする


▲織機で袖や見頃などのパーツごとに編む


▲パーツを組み合わせてセーターの形に。製品は顕微鏡でチェックし、カシミヤ100%であることを確かめる


▲厳しいチェックに合格した製品には、全て決められたタグが付いているよ


▲ようやくお店に並んだカシミヤ製品。でも、ここで終わりじゃない。お客様の反応を見ながら、来年の企画を考えるよ

カシミヤ山羊にもいろんな毛色があって、茶やグレーの毛は、黒など濃い色の製品に使われるんだって!
上質なカシミヤをお手頃価格でお届けするために
株式会社髙島屋 MD本部
レディスファッションディヴィジョン 嶋廻由希子さん
高品質なカシミヤ100%のセーターやマフラーは、本来とても高価です。でも、私たちは原産国の会社からカシミヤ山羊の毛を買い付け、羊など他の動物の毛が混じらないよう、カシミヤしか作らないと契約した工場で毛糸にし、デザインも自分たちで考えて、髙島屋オリジナルのカシミヤ製品を作っています。全てを自分たちで行うので、品質管理の行き届いた、高品質なカシミヤ製品を、お手頃な価格でお届けできます。
私はこのカシミヤ製品の企画開発を担当しています。毎年どんな製品ならお客様に喜んでもらえるかを考えながら、デザインや販売方法を考えます。発売の前日は、ドキドキして眠れなくなるくらい。でも、さまざまな問題をクリアしてお客様に喜んでもらえると、「やった!」という気持ちになりますよ。
毎日お客様と接している百貨店だからこそ、お客様の希望を叶える製品を作ることができるのも、私たちの強みです。
