
北海道にはおいしいものがたくさんあるのは、なぜ?

デパートの「北海道物産展」は、いつも大人気! 北海道の農産物加工品、乳製品、海産物などを求めて、お客さんがたくさんやって来ます。人気の秘密を、毎年「北海道物産展」を開いている髙島屋に教えてもらいました。
北海道のゆたかな自然と涼しい気候をいかした、北海道ならではのものがあるからだよ!

日本の面積の約22%を占める北海道は、耕地面積も日本全体の約25%の広さがあります。しかも、北海道の中でも気候や土壌などの自然条件が多様であるため、さまざまな農産物が大規模農業によって作られています。その結果、生産量が全国1位を占める農産物がたくさん。南東部にひろがる根釧台地では、夏でも海から霧が流れ込み気温が低いため、涼しい気候をいかした酪農が発展しました。また、太平洋、日本海、オホーツク海の三つの海に囲まれた北海道は、豊かな水産資源にも恵まれています。その結果、北海道の漁船がとる魚介類は、日本の漁獲量の約4分の1をしめています。

海鮮丼
サケ、ホタテ貝、タコ、ウニは、北海道産が圧倒的に多く、新鮮な魚介類たっぷりの海鮮丼を味わうために、北海道に旅行する人もいるくらいです。ホタテ貝は約99%が北海道産で、その約6割は養殖によるものです。

スイーツ
乳用牛の飼育数は、北海道が日本一。全国の半数以上を占めています。さらに、バターや生クリームの生産も北海道が約9割を占めています。その結果、新鮮な牛乳を使ったお菓子が次々誕生! チョコレートやバターサンド、チーズケーキ、ソフトクリームなどが有名です。

ラーメン
しょう油味のラーメンが日本で一般的になったのは、第2次世界大戦後のこと。北海道ではそれよりずっと前に「南京そば」というメニューがあったそうです。1954年には、札幌の「味の三平」というお店で、日本初の味噌ラーメンが始まりました。味噌ラーメンに限らず、札幌はラーメンで有名! 「北海道物産展」でも、ラーメンのお店に行列ができます。
北海道には1番がいっぱい!
農産物の収穫高や魚介類の漁獲量を都道府県で比べると、北海道が1位で、しかも60%以上のものがこんなにあるよ。

アズキ

タマネギ

小麦

ホタテ貝

昆布

サケ・マス類
資料 農林水産省(2018年)

髙島屋新宿店の「北海道物産展」(2019年)では、午後3時から販売されるスペシャルスイーツがありました。「北菓楼」(本店・砂川市)のシュークリーム「夢不思議」です。早朝につくられたものを午前中に新千歳空港から飛行機で空輸し、羽田空港を経由して、髙島屋新宿店に午後3時前に到着。天候などの影響で、飛行機が飛ばなければ食べられないというスリル満点!の格別なおいしさです。

おいしいものばかりで、
どれにしようか、決められないケモ~!


髙島屋の「北海道物産展」では、お客様が何度も来てくださるように、毎回新しい商品が登場します。では、どうやって新しい商品の販売が実現できるのでしょうか? 髙島屋北海道展バイヤーの新井将士さんに聞きました。

北海道を食べ歩き
1年のうち約100日は、北海道にいるよ。地元の評判を聞いたり、ネットや雑誌で情報を探したり、現地で食べてみたりして、おいしいものを求めて歩き回るよ


身分を明かさないで何度も試食
「これはいい!」と思っても、すぐには話をもちかけない。身分を明かさず、普通のお客さんとしてお店に何度も通いながら、おいしさや衛生状態などを確認するよ


「実は……」と出展話をもちかける
「だいじょうぶ!」と確信がもてたら、店主に話をもちかける。「うちは小さい店だから無理」という店主を「私たちが力を貸します」と言って説得することもある


うまく話がまとまった!
店主からOKが出たら、具体的な計画を練る。現地と同じようなおいしさを東京や大阪で提供するにはどうすればいいか、一緒にアイデアを出して考えるんだ


準備スタート!
材料の調達方法、北海道からデパートまでの配送方法、冷蔵庫や冷凍庫の手配、デパートではどんな形で出すかなど、具体的な手配を細かく進める


いよいよ、おひろめ!
できるだけ、北海道で食べるのと同じおいしさと雰囲気で食べられるように工夫する。現地のお店の人が販売に来てお客さんとやり取りすることもあるよ!
髙島屋が全国に広げた北海道の味
味噌ラーメン

今では、ラーメンといえば「しょう油」と「味噌」が2大人気スープですが、北海道にあった「味噌ラーメン」を全国に広めたのは、髙島屋です。1965年に大阪と東京で開いた「北海道物産展」で実演販売したところ大人気だったことから、「味噌ラーメン」が全国に広まることになりました。
シシャモ

シシャモは北海道太平洋沿岸に生息する日本固有の魚で、秋にとった魚を10匹ずつ串刺しにして干すことでうまみが増します。このシシャモを全国に広めたのも髙島屋の「北海道物産展」です。ただし、今、スーパーなどで「ししゃも」として売られているものの多くは、輸入された「カラフトシシャモ」、または「カペリン」という別の種類の魚です。
北海道に行かなくても
おいしいものが
食べられるなんて、うれしい!

北海道の魅力を全国に届けていきます!
髙島屋 MD本部 食料品部 食料品催事
北海道展バイヤー 新井将士さん
髙島屋で「北海道物産展」を開くと、それを目当てにたくさんのお客様が来てくださいます。ですから、毎回、どんな商品を販売するかが私の重要な仕事です。おいしい食品であることはもちろんですが、衛生管理や製品表示にも気を配ります。それが、お客様が髙島屋を信頼してくださることにつながると考えています。今度、北海道に移住することになりました。未知のおいしいものを求めて、北海道をさらに探検し続けます。
おいしいものをもっと探しますから、
北海道物産展にぜひ来てください。
