長く親しまれているお菓子にはどんな秘密があるの?

株式会社ギンビス

発売から50年近く経った今でも、子どもからお年寄りまで、みんなが大好きな「アスパラガスビスケット®」。人気の秘密はどこにあるのでしょうか? ギンビスに聞いてみました。

ギンビス君

アスパラ君

それまでのビスケットにはない、ちょっと変わったアイデアがたくさん盛り込まれているんだ。

日持ちが良く保存食として便利なビスケットは、アジア・太平洋戦争後の食糧難時代から、日本でもたくさん売られるようになりました。戦前からカステラなどの焼き菓子を作っていたギンビスでも、ビスケットを作ろうということになりましたが、みんなと同じようなものを作っても売れるとは思えません。だから、それまでの常識をひっくり返すようなアイデアを、たくさん盛り込んでいったのです。

1968年発売

形の常識を変える!

ビスケットといえば、丸か四角というのが当時の常識。そんな中で、スティック形のビスケットは革新的でした。ちなみにアスパラガスビスケットの名前は、細長い形が由来で、実際にアスパラガスが入っているわけではないんですよ。

アスパラガスビスケットが作られていく様子。工場では、1日約750万本ものアスパラガスビスケットが作られているよ

アスパラガスビスケットが作られていく様子。
工場では、1日約750万本ものアスパラガスビスケットが作られているよ

味の常識を変える!

ビスケットといえば甘いもの。でも、アスパラガスビスケットは、日本人の好みに合う、素朴な甘じょっぱさが魅力です。また、ビスケットの味付けによく使われるナッツやチョコレート、ドライフルーツなどは入っておらず、副原料は黒ゴマのみ。味のバランスを保つため、黒ゴマの量は、一本一本厳密に決められています。

黒ゴマ

黒ゴマの絶妙な香ばしさが、おいしさの秘密だよ!



パッケージもひと工夫

きんちゃく袋のようなパッケージは、食べ残しても開け口を縛って取っておけるようにという配慮から生まれました。
長年親しんでくださっているお客様がお菓子売り場で探しやすいよう、発売から50年近く経った今も、デザインはほとんど変えていません。

パッケージもひと工夫

それまでの常識の逆を考えてみることが、ヒットを生むコツなんだね。

hinata

伝統とひらめきが、ヒット商品を生み出す

ビスケットメーカーとしての長い歴史と数々のヒット商品を誇るギンビス。
おいしさはもちろん、名前や形にも独創性が光ります。ヒットを生み出す秘密を、教えてもらいました。

名前でイメージを作る

商品の名前は、商品を説明するだけでなく、独創性を出すためにもとても大切な要素です。アスパラガスビスケットは、中にアスパラガスが入っているわけではありませんが、当時珍しいスティック状の形をしており、さらに当時の高級食材だったアスパラガスを名前につけることで、リッチなイメージを出しました。

ロゴのデザイン

ロゴのデザインも重要。たべっ子どうぶつは、
ギンビスの創業者が、40年前に自分でデザインしたんだって!

形で面白さを出す

お菓子は、味はもちろん、形のアイデアも大切です。「たべっ子どうぶつ」や「しみチョココーン」といったヒット商品は、形のインパクトで人気が出ました。たべっ子どうぶつは形が46種類で、世界でもっとも種類が多いビスケットなんですよ!

たべっ子どうぶつ

動物の形が楽しいたべっ子どうぶつ

しみチョココーン

しみチョココーンは、かわいい星形が大人気!

ヒット商品をアレンジする

子どもからお年寄りまで人気のアスパラガスビスケットは、近年の健康志向に応えるため、カルシウムや食物繊維を配合しています。伝統的な味や形は変えていませんが、食べる人の年代や健康を考えて、より喜ばれるお菓子づくりを目指しています。

カルシウム

新しい食べ方を提案する

アスパラガスビスケットは、そのまま食べてもおいしいのですが、マヨネーズやチョコレートをディップしたり、クルトン代わりにコーンスープに入れたり、いろんな食べ方があります。 一度ヒットした商品も、新しい食べ方を提案することで、さらなるヒットとなることがあります。

チーズフォンデュ

チーズフォンデュにしてもおいしいよ!!

yui

昔ながらのお菓子も、時代に合わせて少しずつ進化しているんだね。

夢のあるお菓子を作り続けます

答えてくれた人

株式会社ギンビス
代表取締役社長 宮本周治さん

ギンビスは、2018年、創業88年を迎えます。みなさんのおじいちゃん、おばあちゃんが子どもの頃から、ギンビスはお菓子メーカーとして親しまれてきました。アスパラガスビスケットのような、50年もの間、味を変えずに親しまれ続けているお菓子もあります。
ギンビスのキャッチコピーは、「お菓子に夢を!」。ギンビスの創業者は、「人に真似をされるのはいいが、人の真似はするな」と言っていました。ギンビスの、独創的で何世代にもわたって愛されるお菓子は、こうした精神から生み出されています。
今ではギンビスのお菓子は、日本だけでなく、中国や東南アジアなど、世界の国々でも大人気です。これからも、お菓子を通して、世界の平和に貢献していきたいと考えています。

お菓子を通して、世界の人々と仲良くなれます。お菓子は平和産業です。

株式会社ギンビス 代表取締役社長 宮本周治さん