
火事が起きたら、自動で消火してくれるものがある?

もし火事が起きたら、すぐに逃げて大人に知らせましょう。大きな火事になる前に消火できれば一番いいですよね。火災が発生した時に、自動で水をまいてくれる設備があるそうです。千住金属工業と千住スプリンクラーに聞きました。
スプリンクラーという設備があれば、火災発生時に水をまいてくれるよ。

消火用スプリンクラーは、火災が発生したら天井から大量の水をまいてくれる消防用の設備です。

従来型

コンシールドタイプ
▲スプリンクラーがついているか、天井を見上げてみよう! ヘッドが出ているものと、景観を損なわないようにヘッドを隠しているものがあるよ。
スプリンクラーの仕組みは?
スプリンクラーのヘッドには、はんだという2種類以上の金属を混ぜて作った合金が使われています。はんだは普通の金属よりも低い温度で溶けるので、接合材料として使われています。
火災が発生すると、その熱ではんだが溶けて、スプリンクラーのヘッドが分解されて止めていた水が放出されるのです。
スプリンクラーのヘッド

火事が起きたらこんなふうに作動するよ!

▲水を放出するノズルは、分解部分とディスクによって、水を止めています


▲火災が発生すると温度が上昇し、ヘッドが熱せられ、分解部分に組み込まれたはんだが溶けだします


▲はんだが溶けると分解部分が投げ出されて、ディスクがノズルから離れると同時に散水板がスライド落下します

▲ノズルから放出される水は、散水板によって均一にまかれます。そして消火へ!
スプリンクラーで本当に火が消えるのか実験!

1点火直後

2点火後、約2分

3点火後、約5分

4スプリンクラーヘッド作動

5スプリンクラーヘッド散水中

6完全消火(点火後約7分)
この実験ではスプリンクラーが散水を始めてから約1分で消火に成功したケモ!

どのくらい設置すればいいの?
スプリンクラーは、必ず散水の隙間のないように設置します。 たとえば9メートル四方の部屋だと、一番少なくて6個、多くて8個のスプリンクラーヘッドを設置するケースがあります。

どんな建物に設置されているの?
面積が大きい建物や、11階以上のマンションなどは、スプリンクラーの設置が義務付けられています。
そのほかにも病院や福祉施設、ホテルや映画館、デパートや地下街などは、スプリンクラーが設置されていることが多いです。

病院

マンションなどの高いビル

映画館や劇場

お店が並ぶ地下街
みんなの命と財産を守る、縁の下の力持ちです
千住金属工業株式会社 広報宣伝課 瀬藤千恵子さん
千住スプリンクラー株式会社 営業部営業課 吉田準さん
私たちの会社が消火用スプリンクラーの開発にとりかかったのは、半世紀以上前の1961年です。63年に国内で初めてスプリンクラーヘッドの開発に成功しました。
今も日本国内で最も多く使用されていて、なんと約7割のシェアを誇ります。東京スカイツリーや東京都庁舎などにも、私たちの会社の製品が使われているんですよ。
マンションなどの高いビル用のスプリンクラーのほかに、家庭用のスプリンクラーもあります。私たちの使命は、みんなの安心・安全を24時間担う製品を生み出すこと。みんなの生命と財産を守る縁の下の力持ちとして頑張っています。
スプリンクラーでみんなの
安心・安全を守っています!
