
夜間や天気が悪い時、飛行機はどうやって着陸するの?

夜間や天候不順で視界が悪い時、飛行機はどうやって着陸しているのでしょう? 成田国際空港に教えてもらったよ。
滑走路にあるライトや電波による誘導で着陸します。
さまざまなライトが、
安全な着陸を誘導している
飛行機が着陸する滑走路には、いくつものライトが設置されています。このライトが飛行機を誘導してくれるおかげで、夜の暗闇でも、雨や霧などで視界が悪い時でも、安全に着陸できます。
それぞれのライトには、飛行機を誘導するためのいろいろな役割があります。

1 進入角指示灯
着陸する飛行機のパイロットに、滑走路へ進入する時の正しい角度を示します。滑走路への正しい進入角度は3度です。別名パピ。

▲赤と白の光を発するライトが四つ並んでいる。正しい角度の場合は、外側に白、内側に赤が二つずつ見える
2 滑走路灯
滑走路の両端に並び、滑走路の位置を示します。

3 滑走路中心線灯
滑走路の中心を示します。

▲滑走路に埋め込まれているライトは、飛行機に踏まれても壊れないくらい頑丈につくられている
4 接地帯灯
進入してきた飛行機が車輪を接地させる範囲を示します。
5 滑走路末端灯
滑走路の末端を示します
6 滑走路末端補助灯
滑走路末端灯の機能を補助します。
滑走路のライトは
昼も灯っている!?
滑走路にあるライトは、夜間だけではなく昼間も活躍しています。昼間は、パイロットが確認できるよう、夜間の500倍の明るさで灯されています。5段階あるライトの明るさは、航空管制官の判断で変えられます。
滑走路のライトは
車の交通信号と同じルール!?
滑走路のライトの色は、基本的には車の交通信号と同じく、赤は止まれ、黄色は注意、緑(青)は進めのルールになっています。現在、成田国際空港に設置されている、飛行機を誘導するためのライトの数は、全部で約1万5000灯あります。
キレイな夜景をつくるライトが、安全に着陸できるよう誘導していたのね

電波でも、飛行機を安全に誘導している
滑走路やその周囲には、進入コースを指示する電波を出す、いくつかの着陸援助施設があります。天候不順で滑走路やライトが見えない時でも、電波の誘導によって安全に着陸できるようになっています。

1 マーカービーコン
アンテナの真上に電波を出し、飛行機に接地点までの所定の距離を通過していることを知らせる
2 グライドスロープ(GS)
飛行機に、滑走路の接地点から3度(滑走路への正しい進入角度)を示す電波を出す
3 ILS-DME
グライドスロープのとなりにあり、飛行機に接地点までの距離を伝える
4 ローカライザ(LOC)
飛行機が滑走路の中心線上に進入できるよう、直線のコースを示す
5 距離測定装置(DME)
DME局からの距離情報を提供する
6 超短波全方向式無線標識(VOR)
VOR局からみた北を基準とした方位情報を提供する
手荷物が飛行機に積み込まれる流れ


手荷物を預ける
手荷物は、搭乗前に、チェックインカウンターに預けます。


保安検査を行う
手荷物の中に危険な物がないか、機械を使って検査をします。


手荷物を仕分ける
それぞれの手荷物を、持ち主が乗る飛行機に正しく積み込めるよう、仕分けします。


飛行機に積み込む
仕分けられた手荷物を、持ち主が乗る飛行機に積み込みます。目的地についたら、持ち主に渡します。


出発!
持ち主と一緒に飛行機で出発!
便利で使いやすい空港を目指し頑張っています
成田国際空港株式会社 空港運用部門
滑走路保全部 北出祥太さん
成田国際空港は、国内外130を超える都市とつながり、毎日約700回も飛行機が飛び交う、巨大な空の港です。貨物の取り扱い量は、日本国内の6割、世界5位(2016年)をほこります。
わたしたちは、みなさんが便利に快適に安全に成田空港をご利用いただけるように、施設管理やサービスを毎日考えています。例えばライトの場合、照明監視室で24時間365日監視して障害発生時に対応したり、ライトの性能維持のため、点検や清掃、光の測定などを行ったりしています。
今度、飛行機に乗った時は、窓から
外のライトを見てみてくださいね!