石油や天然ガスはどうやって見つけるの？
人々の暮らしにかかせない「石油・天然ガス」。いったいどこに眠っていて、どうやって見つけるのかな？ 石油や天然ガスを探しだしてみんなに届ける仕事をする国際石油開発帝石に教えてもらったよ。
石油や天然ガスが眠っている地層には特徴がある！ だから、地層を調べて、石油や天然ガスが眠っていそうな場所を掘ってみるんだよ。
石油や天然ガスが眠る場所を探す！
石油や天然ガスを見つける第一歩は、ありそうな地層を探すこと！ 地質のスペシャリストが、最先端の科学技術を使って探します。
▲石油や天然ガスは水より軽いため、岩石中の石油は、どんどん浅いほうに向かって動いていく。そのため、途中におわんを逆さにしたような地層があると、そこにたまる
▲石油や天然ガスは、岩石中のとても細かな砂粒のすきま（青色の部分）にたまっている。すきまは1ミリ以下でとても小さい
この地層を見つけれ
ばいいんだな！
人工衛星画像分析
人工衛星から撮影した海面の画像を分析する。海に染み出した油分があれば、その近くに石油が眠っている可能性が高い。
音の振動を地下に向かって放ち、はね返ってくるまでの時間などをコンピューターで解析して、地層を立体的な画像にする。
物理探査
わたしたちが活躍します！
探鉱技術者
地下数千メートルもの地層を、自分の目で直接見ることはできません。だから、わたしたちは物理探査という方法で取られたデータと近くの井戸の地質データとを組み合わせ、地下の地層を目に見える形にして石油や天然ガスが埋まっていそうな場所を調べています。人工衛星からの画像を分析することで海面に染み出した石油を確認できることもあります。
地面の下を見ようとするには、データ
の観察力と想像力がだいじ！
技術本部評価技術ユニット
地質グループ マネージャー 香取周介さん
▲手に持っているのは、石油や天然ガスがたまった岩石のコア試料（左が砂岩、右が炭酸塩岩）
井戸を掘ってみる！
石油や天然ガスが眠っていそうな地層が見つかっても、本当にそこにあるかは、掘ってみないとわかりません。そこで、実際に試し掘りの井戸をつくって、石油や天然ガスが採れるかを調べます。
▲井戸をつくるには、まず、「やぐら」と呼ばれる鉄塔を組み、井戸掘りに必要な機材を設置する
▲やぐらに設置されたクレーンなどを使って、長いパイプを何本も継ぎ足しながら、パイプの先についたドリル（ビット）で、地中深く掘り進んでいく
富士山の高さより深い井戸もある！
井戸の深さの日本記録は、なんと、6310メートル。富士山の２倍近い深さだ。この深さを掘るには、24時間休みなく働いて１年以上かかることもある。
わたしたちが活躍します！
ドリリングエンジニア
探鉱技術者が、石油や天然ガスがあると予想している地下まで、どうすれば安全に井戸を掘れるかを考えて、井戸のデザインをし、必要な資機材を集めて作業の準備をします。井戸を掘りはじめたら、オフィスから現場に指示を出したり、現場の作業監督として働いたりします。
ほかの技術者と協力しながら、チーム
ワークで井戸を掘るよ！
技術本部評価技術ユニット
掘削グループコーディネーター 大岡功人さん（左）
生産の準備をする！
実際に石油や天然ガスが見つかったとしても、生産を始めるまでには、いくつもの関門をクリアすることが必要です。
生産テスト
石油や天然ガスの生産は、巨額な費用がかかるプロジェクト。「産出量は十分か？」「運ぶ費用は？」など、さまざまな角度から、採算が合うかを検討する。この段階で、生産しない判断をすることも多い。
生産決定！
施設の建設
生産が決定したら、いよいよ施設を建設する。巨大な施設では、数千人が建設作業をすることも！ 一つの町をつくるくらいの規模だ。
石油・天然ガスが発見されてから、実際に生産するまでは、10年以上かかることもある。
やったあ！ついに
石油が採れるの
ね！
長い道のりだったケモ
