ダムは何のためにあるの?

日本工営株式会社

山奥で大量の水をため、貯水池を支えるダム。その役割には、どんなものがあるでしょう? 総合建設コンサルタントの、日本工営が教えてくれました。

洪水から町を守ったり、生活や産業に必要な水を引いたり、発電をしたり、さまざまな役割があるよ。

ダムは、周辺地域のさまざまな「困った!」を 解決します。

宇奈月ダム

治水

治水

洪水の起こりやすい川も、ダムがあれば安心。上流の貯水池に水をためて、安全な量だけ放流することで下流地域を洪水から守ります。

利水

利水

農業にも工業にも人々の生活にも、水は欠かせません。ダムは貯水池に水をため、水量を調節しながら流すので、渇水期でも十分な水を供給できます。

発電

発電

水力発電は、水が高いところから低いところに流れる時のエネルギーを利用する発電方法です。ダムでためた水を高いところから低いところへ勢いよく流し、低いところに設置された水車を回して、水車の回転で発電機を動かし発電します。

ダムは、みんなの生活を守っているんだケモ。

ケモノン

日本のダムづくりの技術は、世界で活かされているよ

日本工営の創業者、久保田豊はダムの専門家として、今から100年近くも昔から、世界最大級のダムづくりに携わってきました。日本工営も、世界各地のダムづくりに、コンサルタントとして関わっています。右は、現在パキスタンのインダス川本流で建設中のダス水力発電所。世界でも最大規模の高さ242メートルのダムをつくり、発電所までの180メートルの落差を利用して発電します。2011年に着工し、2023年の完成に向けて工事の監督を、日本工営は行っています。

ダス水力発電所の地下につくられる発電施設を含む構造物の図

ダス水力発電所の地下につくられる発電施設を含む構造物の図。左上は下流から見たダム地点。右上は、ダム地形の3Dモデル。

古くなったダムも再生できる

大きなダムも、永遠に使い続けられるわけではありません。日本にはたくさんのダムがありますが、一部は古くなり、使いづらくなったり、壊れる危険があったりして、改修が必要なものもあります。日本工営は最新の技術を使って改修し、より使いやすく、安全なダムにするための調査・設計などの仕事も行っています。

新桂沢ダム(北海道開発局)かさ上げ工事

新桂沢ダム(北海道開発局)かさ上げ工事。
もともとあったダムを約12メートルかさ上げして、ダムにためる水の量を約1.6倍に増大させる計画。最近多くなっている大雨の時の洪水被害から、地域を守る役割がある。

ダムが新しく生まれ
変わるのね!

ユイ

人々の安全な暮らしを守る仕事です。

答えてくれた人

日本工営株式会社 流域水管理事業部
ダム発電部 中倉香代子さん

私は、コンピューターを駆使して、ダムの最適な形状を決めたり、既設ダムに対してコンピューターによる分析を行い、悪い所がないか診断する仕事をしています。特に日本が近年開発した新しいダム型式である「台形CSGダム」(台形形状のダム)のコンピューターによる分析を担当しています。秋田県の成瀬ダムのような、世界最大級の台形CSGダムの最適形状の検討もしています。
洪水や渇水のときにはダムは人々の安全な暮らしを守ります。そんなダムづくりに関わるという使命感と、適切な管理をしないと人々の安全を脅かす存在であるという責任感が、私が仕事をする原動力です。そしてもちろん、巨大な構造物をつくるものづくりの楽しさにも、やりがいを感じています。

ダムに興味を持ったら、
ぜひ、近くのダムを訪れ
てみてくださいね!

答えてくれた人