
家電製品のリサイクルは、何が大変?

みんなの身の回りにある家電製品には、鉄や銅線、アルミニウム、プラスチックなど、さまざまな材料が使われています。これらをリサイクルするにはどうしたらいいのでしょう? リサイクル技術で世界に貢献する、三菱電機に教えてもらいました。
さまざまな材料が使われていて、
同じものだけをより分けるのが大変なんだ。
家電のリサイクルの流れを見てみよう

冷蔵庫を例に、家電製品のリサイクルの流れを見てみましょう。冷蔵庫は、主に「プラスチック」「アルミ」「銅」「鉄」といった素材でできています。



手作業で大きなパーツを分解します。



手で分解できなかった部分をまとめて砕きます。



磁石で鉄だけを吸い上げます。



電気を通す銅やアルミを、高速回転する磁石を使って選別します。



金属を取り除いたプラスチックを、さらに細かく砕いて粒の大きさをそろえます。



細かく砕いたプラスチックを水の中に入れ、浮くプラスチック(軽いプラスチック)を回収したり、水流を作って重さの違うプラスチックをより分けたりします。



プラスチックをこすり合わせて帯電させ、帯びている電気の性質ごとに選別します。



X線を当てて、有害物質である臭素を含むプラスチックを見分け、取り除きます。



カメラで色を見分けて、白いプラスチックと色付きのプラスチックとを選別します。


素材別にていねいに分けられた純度の高い材料は、新しい家電製品に生まれ変わることができます。

▲三菱冷蔵庫MXシリーズ MR-MX57D-ZT
現在は70%ものリサイクル率を達成しているケモ!

自己循環リサイクルって何だろう?
一般の「リサイクル」というのは、ある製品が再資源化されても、必ずしも同じ製品の素材になるとは限りません。家電製品に使われたプラスチックも、ほとんどが燃料となったり、日用雑貨などへダウングレード(格下げ)されてリサイクルされています。でも、リサイクル過程でプラスチックの品質が落ちなければ、また家電製品にリサイクルすることができます。これを「自己循環リサイクル」といいます。
家電製品から回収された
プラスチックのゆくえ


家電製品とは違うものに使われる
一般のリサイクル

再び家電製品に使われる
自己循環リサイクル
燃料

ダウングレードユース(格下げ)

家電製品


技術の力で環境保全に役立っています
株式会社ハイパーサイクルシステムズ
営業部 松本陽子さん
テレビやエアコン、冷蔵庫に掃除機。皆さんの身の回りにも、いろんな家電製品があるでしょう。私たちは皆さんの生活を便利にするための家電製品を作りますが、ただ作るだけでなく、使い終わった製品をまた新たな製品に生まれ変わらせるため、リサイクルにも力を入れています。
家電はさまざまな部品でできています。これらを丁寧により分け、鉄なら鉄、アルミならアルミと、同じ種類の物質ごとに分けて、純度の高い素材に戻すのが、私たちの行っているリサイクルです。特にプラスチックは同じ種類に選別するのが難しく、かつてはわずか6%しか、再生することができませんでした。でも今は、三菱電機が独自に開発した技術を使い、70%ものプラスチックが、リサイクルできるようになっています。
私はハイパーサイクルシステムズというリサイクル専門の工場で、働いています。自分の仕事が皆さんの生活と地球の環境のために役立っていると考えると、とてもやりがいを感じています。
リサイクル工場は、見学することもできるよ。ぜひ、みんなで学びに来てね!


▲三菱電機のリサイクル工場(株)ハイパーサイクルシステムズ