トラックはどうやってつくるの?
トラックは、わたしたちの生活に欠かせない、さまざまな物を運んでいます。では、トラックはどうやってつくられているのでしょうか。いすゞ自動車に教えてもらいました。
鉄でできた「フレーム」に、車の心臓にあたる「エンジン」や、人が乗る「キャブ」を組み付けていって、できあがるよ。
小型トラックの組み立てライン(流れ作業台)は、全長470メートル。およそ、2分に1台のスピードでトラックが完成していきます。ここでは、組み立ての手順を、精密な模型で紹介します。
工場には、工夫が
いっぱいあるケモ!
組み立て開始
▲トラックの骨格となるフレームに、部品を組み付けていく。配線や配管、タイヤを組み付ける土台など、フレームの下側に付く部品を、先に取り付ける
検査
▲組み立てラインの要所要所では、そこまでの作業に間違いがないかの検査がおこなわれる。検査をする場所は、地面がオレンジ色に塗られている
正転
▲大きな機械で、フレームをグルンとひっくり返す。これが正しい向きなので、「正転」と呼んでいる。ここからは、トラックの上部の部品を組み付けていく
途中でひっくり返すのか!
エンジンの組付け
▲エンジン部分をフレームに組み付ける。このあと、燃料タンクやバッテリーが、機械で自動的に組み付けられる
キャブの組み付け
▲人が乗る場所である「キャブ」を組み付ける。キャブには、あらかじめ座席やハンドルなどの部品が組み付けられている
最終審査
▲タイヤを取り付けて、燃料を入れたら、検査場まで自分で走って進む。最終検査に合格したら、完成!
ひとりでに動く台車
工具や部品を入れた台車は、作業中にわざわざ取りに行かなくてすむように、ラインに合わせて動きます。作業が終わると、自動で元の位置に戻ります。
開かない扉のナゾ
部品が入っている棚の扉は、作業の工程によって、必要な部品の扉だけが開きます。使う部品を間違えないための工夫です。
ヘルメットの色にも意味がある!
作業している人たちのヘルメットの色が違うことに気がつきましたか? 実は、作業の内容で、かぶるヘルメットの色が違います。白はつくる人、黄色は検査する人、オレンジ色は機械を点検・整備する人です。
乗せるものを変えれば、
いろんな車に変身!
トラックの荷台部分を変えれば、みんながよく知っている、はたらく車になります。たとえば、救急車やゴミ収集車は2人乗りのトラックが、消防車は4人乗りのトラックが、それぞれベースになっています。ほかにも、トラックがベースになったはたらく車がたくさんあります。町の中で探してみましょう。
消防車もトラックの仲間だったのね!
世界中で信頼される〝MadeInJapan〟の
トラックをつくっています
いすゞ自動車株式会社 車両企画部物流グループ
小笠原亜紀さん
小さいころマレーシアに住んでいたので、海外で、〝MadeInJapan〟の製品を外国の人たちが好んで買う姿をよく見ていました。いすゞのトラックも、世界中で信頼されている日本製品です。
トラックをつくるには多くの部品が必要です。わたしは、効率よく車を組み立てられるよう、ラインをレイアウトする仕事をしています。工場に来るたくさんの部品を、すばやく安全に、作業をする人や場所に届けるにはどうすればいいかを、多くの人と協力しながら考えています。大学や大学院で研究していたことは、この仕事とは直接関係ありせんが、研究を通して学んだ「自分で考え、行動する」ことは、今も仕事に役立っていますよ。
いろんなことに気軽に挑戦してみてね。楽しんで続けられることがあれば、きっとそれが自分の強みになりますよ。