
アルミニウムってどんな金属?

ジュースの缶から自動車や航空機などの輸送機器まで、身近なところにたくさん使われているアルミニウム。どんな金属なんでしょう? アルミニウム製品を作るUACJに教えてもらいました。
軽くて丈夫など、さまざまな利点を持ちつつ、リサイクルにも適した金属だよ!
アルミニウムは私たちの生活のあちこちで活躍しています。身の回りのアルミニウム製品を探してみましょう。

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LNG船
LNG船:冷やして液状にした天然ガス(LNG)を運ぶ船
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電波塔
電波を送る高い建物

半導体製造装置
半導体:スマートフォン、テレビ、自動車など、電気を使うモノに必要な部品
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ロケット
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電車(新幹線)
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飲み物の缶
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金属バット
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自転車
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タブレット
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スマートフォン
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車いす
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バイク
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車
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アルミホイル
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エアコン / 薬
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パソコン /
プリンター
アルミニウムはリサイクルがしやすく、環境に優しい金属です。アルミ缶がリサイクルされ、再びアルミニウム製品に生まれ変わるリサイクル率は、なんと92.5%! リサイクルすることで、ゴミを減らすだけでなく、輸入に頼る資源の消費を抑え、製造にかかるエネルギーを節約することもできます。

アルミニウム製品ができるまで
アルミニウムはボーキサイトという鉱物からアルミナを作り、アルミナを電気分解することで地金を作ります。アルミニウム製品は、その地金をさらに加工して作られます。

▲ボーキサイト

▲原料になる地金をドロドロに溶かして元素を添加し、製品の目的に沿って成分を調整します。


▲型に流し込んで固め、一枚の大きな直方体(スラブ)にします。スラブは、大きいもので数トンにもなります。


▲熱したスラブをローラーにかけ、薄くのばしていきます。400度以上の高温で行います。


▲さらにローラーで圧力をかけ、薄く薄くのばします。


▲冷やして巻き上げ、表面を塗装するなどの仕上げをして、完成です。


アルミニウムは環境にやさしい
アルミニウムには、さまざまな特長があり、これらを組み合わせると、環境にやさしい製品づくりにも役立ちます。例えば自動車の場合、さまざまな部品にアルミニウムを使うことで車体を軽くすることができ、省エネやCO2削減に役立ちます。丈夫でサビにくいので、車体が長持ちするのも、エコな特長のひとつです。

アルミニウムの特長がそれぞれ生かされているケモ。

他にもこんな利点が!
軽い!
鉄や銅と比べると、アルミニウムは同じ体積でも約3分の1の軽さです。軽量化が求められる自動車や飛行機などに使われます。
硬くて丈夫!
マグネシウム、マンガンなどを添加して、加工や熱処理を行い、強度を高くします。
熱伝導率がいい!
熱をよく伝えるので、素早く冷やしたり温めたりする飲料缶や自動車のエンジン部品に使われます。
低温に強い
液化天然ガス(LNG)など、極低温まで冷却して輸送するものの入れ物にも最適です。
サビにくい
他の金属に比べてサビにくく、耐久性があります。
リサイクルしやすい
資源や製造にかかるエネルギーを節約できます。
アルミをリサイクルすると、原料のボーキサイトから作る工程に比べて、エネルギーを97%も減らすことができるんだって!

アルミニウムは新しい金属です。
株式会社UACJ 板事業本部 名古屋製造所
製品技術部 第二製品技術室 小川和代さん
一口にアルミといっても、用途も性質もさまざまです。飲料の缶などに使う時はリサイクルしやすいよう、不純物が入らないようにしなければなりませんし、ロケットやガスタンクなど、耐久性が必要な場合は、強度を上げるためにマグネシウムやマンガンを添加して、材質を調整したりします。ただ溶かして形を作るだけじゃなく、いろんな加工をしているんですよ。アルミニウムには、まだまだいろんな可能性があると思っています。より使いやすい金属を目指して、私たちも日々研究をしています。
学校や地域でのリサイクルにも協力してね!
