
結婚式をホテルであげるのはどうして?

レストランや教会など、結婚式をあげられる場所はいろいろありますが、ホテルでの結婚式は特に人気があります。でも、宿泊するためのホテルでどうして結婚式をあげるようになったのでしょうか? 帝国ホテルに教えてもらいました。
関東大震災後、帝国ホテル内に神殿をつくったのが始まりです。
大正時代の1923年に起きた関東大震災は、特に東京の被害が大きく、多くの建物が燃えてしまいました。結婚式をあげるための神社も、その多くが焼失してしまったのです。
1923年に建て替えたばかりだった帝国ホテルは、耐震性や火災予防に優れていて、被害が少なくてすみました。そこで、帝国ホテル内に神殿をつくり、挙式に加えて披露宴や写真撮影や着付けなど、ホテルの中で一貫したサービスを行える環境を整えました。
これが今日のホテルウェディングの発祥といわれています。

▲当時の帝国ホテルの神殿で行われた結婚式の様子
関東大震災に耐えた帝国ホテル 「ライト館」

帝国ホテルの2代目本館(通称・ライト館)は、20世紀を代表する建築家であるフランク・ロイド・ライトが設計しました。1923年9月1日、開業記念パーティーが行われる予定だったその日に関東大震災がおこりました。
震災後は被災者の避難場所として客室を無料で開放し、大使館や新聞社などにも仮事務所としてのスペースを提供しました。その美しさは東洋の宝石と呼ばれていたほどで、チャールズ・チャプリンやマリリン・モンローなど、世界中の有名人が訪れています。
結婚式ってどんな種類があるの?
結婚の誓いを立てる儀式を結婚式、式をあげた後にみんなに祝福してもらう宴会を披露宴と呼びます。この二つをセットで結婚式と呼ぶことも増えています。挙式は厳かに、披露宴は楽しい感じで行われることが多いですよ。

▲神殿 神前式は日本ならではの着物で!
神殿で行われる、日本古来の伝統的なスタイルです。
家と家とのつながりを重視するため、参加者は両家と親族のみが基本です。

▲チャペル 人気の教会式は歌やオルガンも魅力♪
キリスト教のしきたりにのっとって、神様に結婚を誓う挙式スタイルです。
すてきなドレスでバージンロードを歩くのにあこがれて、教会式で式をあげるという人も多くいます。
お寺であげる仏前式や出席者に結婚の証人になってもらう人前式もあるケモ。

結婚式に関わる仕事にはどんなものがあるの?
結婚式や披露宴には、大勢の人たちが関わっています。結婚式をあげるまでに、たとえばどんな人たちがお仕事をしているのか見てみましょう。

料理

大きなキッチンで、一度にたくさんの料理を作ります。参加者が何百人いても、温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たい状態で提供します。
フローリスト

花嫁が持つブーケやテーブルに飾る花など、結婚式には欠かせない花を担当!
ウェディングコーディネーター
結婚式を行うには、いろいろなことを決めて準備しなくてはいけません。そのお手伝いをしてくれるのが、ウェディングコーディネーター(ウェディングプランナー)です。何度も打ち合わせを重ねて、結婚式のプランを組み立てます。
美容師
当日の新郎新婦の着付けやヘアメイクを担当。事前にヘアセットのリハーサルもするので、当日に失敗することなく仕上げられます。
ドレス・着物の準備
ウェディングドレスや着物など、結婚式で着る衣装を用意するのも大切な仕事。レンタルだけでなく、購入することもできます。
ウェディングドレスの白は、純真無垢
の象徴。ベールには、魔よけの意味が
あるんだって!

カメラマン
新郎、新婦やゲストのベストショットを、プロのカメラマンが撮影して思い出を残します。
音響・照明
新郎、新婦と打ち合わせした進行にあわせて、音楽と照明の操作をします。理想の空間をつくるのに欠かせない存在です。
思い出に残る幸せな1日のお手伝いをしています
株式会社帝国ホテル ウェディングコーディネーター 橋本珠里さん

▲帝国ホテルは東京のほかに大阪府、長野県にもあります
ホテルウェディングの魅力は、結婚式に関わるすべてのことをホテルの中でできることです。ホテルなら困ったことがあってもスタッフがすぐに対応するので、出席する人も安心で便利。遠方から来た人は、そのままホテルに宿泊することができます。
ホテルならではの上質なおもてなしと、おいしい料理も魅力です。帝国ホテルにはコックさんが400人いて、お料理だけでなく、パンやケーキは専門の部署もあり、その道のプロがつくっています。
結婚式でのお客様の感動は、自分の感動になります。人生の素晴らしい思い出になったと喜んでもらえることが、私たちの大きなやりがいになっています。 結婚式をあげた後も、記念日にレストランを利用してもらえたり、宿泊してもらえたり、ホテルはお客様と末永くお付き合いができる場所です。
明治時代半ばに開業したホテルとして、これからも歴史と伝統を継承しつつ、最先端のサービスを提供していきたいと思っています。
お客様が喜んでくださることが何より嬉しいです。
