
ペットボトルのラベルはどうしてシワができないの?

肌着やストッキングで有名なグンゼですが、実はさまざまなプラスチック製品も作っています。ペットボトルや食品などを包む、プラスチックフィルムのすごい力を見てみましょう。
熱を与えると縮むフィルムを使って、ボトルにぴったりくっつけるからだよ。
どんなボトルにもピタっと密着
ここで使われているのは、シュリンクフィルムというもの。「シュリンク」とは、英語で「収縮する」、「縮む」という意味です。ボトルにかぶせたフィルムに熱を加えることで収縮するので、でこぼこした容器など、さまざまな形の容器にフィットし、商品を美しく見せることができます。

円筒のラベルをかぶせ、蒸気や熱風で加熱


ラベルが収縮(シュリンク)してボトルに密着
最初は丸い筒なんだね。

ラベルは、リサイクルにも欠かせないよ
みんながよく利用するペットボトルなどの飲料容器。どうしてボトルに直接絵や文字を印刷するのではなく、ラベルが付けられているのか、考えたことはありますか? ペットボトル容器に文字や絵などを直接印刷すると、飲み終わったペットボトルを細かく砕いて「フレーク」にした時、インクの色がついてしまい、リサイクルできなくなってしまうのです。だからペットボトルはみんな透明で、色や文字が印刷されていません。こうした商品を見分けるためには、取り外しが可能なラベルが必要なのです。


飲み終わったペットボトルは、ラベルを外して、中を洗ってからリサイクルに出そうね。
薄くてもすごいプラスチックフィルムの実力
スーパーで売られているピザが長持ちする秘密
食品を包んでいるプラスチックのフィルムは、中に入った食品を見やすくするとともに、長もちさせる機能もあります。食べられる期間が長くなることで、食品ゴミを減らす役割も果たしています。
フィルムがないと…

食品は、酸素(O2)に触れると
おいしさが減ってしまうよ
フィルムがあると…


異なる機能を持った3層構造のフィルムが酸素をブロック!おいしさが長もちするよ

野菜の袋がくもらない秘密
スーパーやコンビニエンスストアなどで売られているもやしやカット野菜の袋は、くもらないようにする「防曇フィルム」でできています。気温の変化や、植物から水蒸気が発せられる「蒸散」によって袋の表面に水蒸気がつくと、くもって中が見えなくなります。また、水滴が野菜につくと、腐りやすくなる原因にもなります。プラスチックフィルムはくもりを防いで商品を美しく見せるとともに、品質も守ってくれるんですよ。
一般的なフィルム
水滴がついてくもり、中が見えにくくなる
防曇フィルム
表面に「防曇剤」(ぼうどんざい)がぬられているので水滴がフィルムになじみ、くもらない


プラスチック資源を次世代に
グンゼ はもともとシルクの糸や衣料品をつくる会社でした。そのうち、自社でつくったストッキングを包装するフィルムをつくるため、1962年にプラスチック事業を開始。現在はアパレル事業と並ぶ経営の柱となっています。海洋プラスチック問題やプラスチックごみ問題が深刻となる中、グンゼは社会的な責任を果たすため、2019年12月に「プラスチック資源循環基本方針」をまとめました。
グンゼのプラスチック資源循環基本方針
グンゼは、プラスチックの3R + Renewable を積極的に推進し、廃棄量を削減することで、プラスチック資源が循環する社会の実現に貢献する。
3R

製品をつくる時に使う資源の量や廃棄物の発生を少なくすること

使用済製品やその部品などを繰り返し使用すること

廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用すること


再生利用
パッケージは、おいしさを支える縁の下の力持ち
グンゼ株式会社 プラスチックカンパニー
営業統括部 営業第三課 前原志保さん
スーパーの食品売り場を飾る色とりどりのパッケージは、お客さんに「これ欲しい!」と思わせる効果があります。さらに、製造日や賞味期限、原材料名・栄養成分などが書かれ、さまざまなことを私たちに教えてくれます。こうした見た目が注目されますが、食品のおいしさを保つという重要な役割も果たしています。「酸素を通さない」しくみと「袋をくもらせない」しくみのほかにも、ソースの袋に穴を開けにくくする技術など、パッケージにたくさんの機能を持たせておいしさを支えています。
「美しい」と「おいしい」を届けます。
