阪神甲子園球場でアナウンスをしているのは、どんな人?

阪神甲子園球場

プロ野球・阪神タイガースや春夏の高校野球の試合が行われる阪神甲子園球場には、熱戦を観るため、多くの人が訪れます。楽しい観戦を陰で支えている人たちのお仕事を、甲子園球場に教えてもらいました。

経験と実績を積んだ、「声のプロ」の職員だよ。

プロ野球は放送担当の最高峰

プロ野球は放送担当の最高峰

球場でのアナウンスは、大勢の来場者に情報を伝えるという重要な役割を担います。場内放送を担当する前にテレホンサービスの録音や場外放送から始まり、場内放送では一般利用、大学野球、タイガースの二軍戦、高校野球と段階を踏んで担当し、わかりやすく伝える技術を磨きます。それらの経験を生かして、プロ野球の放送に挑みます。

試合のスムーズな進行はもちろん、雨天や災害時にも的確なアナウンスが必要だケモ。

ケモノン
飯野詩織さん

飯野詩織さん

阪神甲子園球場 運営担当(放送)

入社5年目。幼いころから高校野球が好きで、高校では野球部のマネジャーに。練習試合などでアナウンスをしていた経験もあり、甲子園球場での放送の仕事に興味がありました。甲子園球場を訪れた人たちが、「特別な一日」を過ごせるよう、わかりやすい放送を心がけています。

アナウンスの例❶

お客様にお願いいたします。試合中、スタンドに入りますファウルボールは、非常に危険でございます。打球のゆくえには十分ご注意くださいませ。

アナウンサーの心得①

ファウルボールが飛んだとき。同じ言葉の繰り返しにならないように工夫して、さまざまなパターンで注意を促します。

アナウンスの例❷

お客様にお知らせいたします。ご覧のように雨が降りやまず、またグラウンドコンディションも悪くなりましたので、本日の試合は、誠に残念ではございますが、中止と決定いたしました。悪しからずご了承くださいませ。

アナウンサーの心得②

甲子園球場は屋外のため、雨の状況によっては楽しみにしていた試合が中断や中止になることも。状況にふさわしい案内となるように文章を組み立て、中止の理由などもお客様へしっかり伝えます。

甲子園球場に受け継がれてきた伝統のアナウンス原稿

甲子園球場に受け継がれてきた伝統のアナウンス原稿。球場で起こるさまざまなシーンに合わせて作られた原稿には、読み上げるときにチェックすべきことが書き込まれています。

野球ボール

試合のない日はどうしてるの?

甲子園球場で試合が行われない日には事務所でアナウンスの原稿を作っています。スタンドをタイガース色に染め上げる「ウル虎の夏」や女性ファン向けの「TORACO DAY」など、さまざまな案内を原稿に盛り込んでいきます。また、アナウンス関連の業務だけでなく、球場で使う資料の作成なども行っています。もちろん、放送の練習もしています。

「おいしい」感動をつくる人たちもいるよ!

野球観戦の楽しみの一つである「球場飯」。甲子園球場でしか食べられない人気メニューはどうやって生まれるのかな? 球場の舞台裏をみてみましょう。

實野隆一さん

實野隆一さん

阪神甲子園球場 飲食・物販ロイヤルスイート担当

阪神タイガースの監督や選手たちの好物や出身地にちなんだ食材を使ったコラボメニューは、観戦をより楽しくするお弁当やスイーツ、ドリンクが勢揃い。これらのメニューは実際に選手に味見をしてもらって感想を聞き、改良を重ねることで作られます。

大人気の監督・選手コラボグルメ

甲子園球場で特に人気のメニューは、阪神タイガースの監督・選手たちの協力のもと生み出されるコラボグルメ。お客様に喜んでいただくためのメニューですが、気に入って試食後に持ち帰る選手もいるのだそう。これらのメニューはシーズンオフに開発するので、担当はプロ野球の試合がない秋から春の間がもっとも忙しい時期になります。おいしいものを食べる機会が多いので、体重が増えてしまうのが悩み。日頃の運動が欠かせないそうです。

大人気の監督・選手コラボグルメ

01:岩貞祐太のキャラメルタピオカフラペリッチ 02:糸井嘉男の超人チャーハン弁当 03:髙橋遥人のメロン畑クレープ 04:福留孝介の頼りのちりめん三昧弁当 05:北條史也の玉子とじ醤油ラーメンおろし生姜仕立て 06:矢野耀大監督の新!豪華ハラミ焼肉スペシャルW

伝統メニュー カレーライスの秘密とは!?

毎年、新しいメニューが誕生する一方、甲子園球場ができたときから人気を集めるのが名物のカレーライス。1試合あたり3000食が売れるそう。球場開設当時の値段はコーヒー付きで30銭。当時のグラウンドキーパーの日給は75銭というから、大変なごちそうだったんだ。食糧不足だった戦争中は、牛肉の代わりにイルカの肉を使って作られていたんだって!

伝統メニュー カレーライスの秘密とは!?
甲子園歴史館に展示されている昔の看板

甲子園歴史館に展示されている昔の看板

甲子園球場って、どんなところ?

阪神甲子園球場は1924年に完成しました。全国中等学校優勝野球大会(現在の全国高等学校野球選手権大会)が人気となり、阪神電鉄が日本初の本格的な野球場をつくったのです。この1924年は、干支でいうなら「甲子」の年だったため、「甲子園」と名付けられ、その後、高校野球の代名詞となりました。第2次世界大戦中は春夏ともに中等学校優勝野球大会は中断され、甲子園球場も内野スタンドの鉄傘が撤去されるなど、その姿を変えました。しかし、1947 年に高校野球の全国大会が復活すると、球場にも新たな設備が徐々に整っていきました。そして、2007年から2010年にかけてリニューアル工事が行われ、歴史と伝統を継承しながら、安全で快適な球場に生まれ変わりました。

開設時の阪神甲子園球場

開設時の阪神甲子園球場

リニューアル完了に伴い、高校野球、阪神タイガース、甲子園球場の歴史を一堂に集めた「甲子園歴史館」が誕生しました。甲子園球場で生まれた名勝負の数々や名選手たちを、映像や貴重な展示品で紹介。「VR体感コーナー」やドラフト指名された気分を味わえる「ドラフト体感コーナー」など体感型のコンテンツも充実しています。

最新の営業情報は、甲子園歴史館ホームページをご確認ください。
https://koshien-rekishikan.hanshin.co.jp/

甲子園歴史館

96年の歴史が見られるんだね。

ユイ