燃料電池は地球環境にやさしい発電装置

皆さんは「燃料電池」を知っていますか？　燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて二酸化炭素（CO₂）を出さずに電気を作る発電装置のこと。京セラは固体酸化物形燃料電池（SOFC）の研究開発を長年続け、2019年に世界最小サイズの家庭用燃料電池「エネファームミニ」の商品化に成功しました。発電だけでなく、水素と酸素が化学反応するときの熱を利用して給湯もできます。

エネファームミニの発電ユニット（右）は、エアコンの室外機並みの大きさ。高さは、小学5年生の平均身長の半分くらい（70㎝）

「エネファーム」は東京ガス（株）、大阪ガス（株）、ENEOS（株）の登録商標です。

セラミック技術が効率の高い発電を可能にするのね

燃料電池は地球にやさしい

たとえば、燃料電池「エネファームミニ」を1台、一般家庭で利用すると年間に約1,000kgものCO₂ を減らす（※）効果があります。これがどれだけ地球にやさしいかというと……。

▲このCO₂を吸収するのに必要なブナの木は約90本（＊）
＊樹齢100年、立木数500本／1ha（森林総合研究所試算）

※エネファームミニのシミュレーションから。数値は1年間の環境貢献の目安です。

燃料電池って、どんな電池？

ふつうの乾電池は使い切ると終わりです。近年では充電して繰り返し使える充電池も増えてきました。一方、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させるのが燃料電池です。しかも、地球上に大量に存在する水素と酸素が燃料源になり、排出されるのは水だけという地球にやさしい燃料電池にいま大きな注目が集まっています。

水は水素と酸素からできているんだ！

中学で習う「水の電気分解」とは、水に電気を流すと水素と酸素が発生するというものです。燃料電池は、これと反対の反応によって電気が生まれます。

水酸化ナトリウムを加えて電気を通りやすくした水をペットボトルに入れ、そこに鉛筆を削って芯だけにしたものを差し込みます。

❶＜電気を流す＞ 直列につないだ乾電池（4本）と芯をリード線でつなぎ、しばらくすると泡（水素と酸素）が出てきます。
❷＜電気が生まれる＞ 泡（水素と酸素）がたまったら乾電池を外して発光ダイオード(LED)につなぎます。

LEDが光ればペットボトル燃料電池の実験の成功です！

万が一の災害の時にも頼りになる燃料電池！

燃料電池のメリットはいくつもあります。もしも急に停電したときでも、エネファームがあれば（※）家庭内の電気の流れが自動的に切り替わり、専用のコンセントから電気を使うことができます。テレビをつけたり、携帯電話を充電できたり、あるいはお風呂を沸かせるなど、停電の非常時でもおうちが安心できる避難所になるわけです。家庭だけでなく、燃料電池は公共施設や病院などの非常用電源としても既に使われています。

停電時、家庭で電気とお湯が使える安心を

（使用電力の目安は最大４００W）

照明

テレビ／床暖房（ガス）

お風呂のお湯張り

※ガスの供給が停止している場合は、エネファームも停止します。また、断水時は給湯できません。