大人のコミュニケーション力って、どんな力?

公益財団法人 日本漢字能力検定協会

どんな仕事も「言葉」を使わずにできるものはありません。指示をしたりPRをしたり、さまざまな場面でコミュニケーション力が試されます。仕事に必要な言葉の力について、日本漢字能力検定協会に教えてもらいました。

立場や年齢の違う人たちと誤解なくやりとりするために必要なものだよ。物事を伝える「言葉の力」が重要なんだ。

仕事の現場で生きる「言葉の力」を見てみよう

指示

自分がして欲しいことがどんなことなのか、正確に具体的に伝える力が試されるよ。言われた相手が嫌な気持ちにならないための心配りも大事!

指示

接客・営業

無理やり相手をその気にさせるのはNG。相手がどんなことを求めているのかを思いやりながら、さりげなく、でもていねいに対話をする力が大切。

接客・営業

打ち合わせ・会議

きちんと同じ目標を目指しているか、より良い結果をもたらすにはどんなことが必要か、お互いに考えていることを上手に引き出す力が求められるよ。

打ち合わせ・会議

プレゼン・説明・報告

プレゼンは「プレゼンテーション」の略。考えた企画や製品を会社の上層部やお客さんに対して説明することだよ。ていねいで具体的な説明・報告と、相手が納得できるような説得力が大事。お医者さんや学校の先生にも必要な力だね。

プレゼン・説明・報告

インタビュー

人の考えていること、素直な気持ちを聞き出す力が大事だよ。報道だけでなく、市場に出た商品の感想や要望を聞いたり、今欲しいと思っているものやサービスのヒントを得たりするためにも重要なんだ。

インタビュー

ここに挙げたのはほんの一例ケモ。

ケモノン
work‼

インタビューごっこをしてみよう

記者になったつもりで、友達にインタビューをしてみましょう。「名前は?」「年齢は?」「好きなことは?」「どうしてそれが好きになったの?」「将来どんなことをしてみたい?」……など、最低でも10個の質問をしてみましょう。聞き終わったら、相手を魅力的に紹介する紹介文を書きましょう。コミュニケーションを経て、お互いのことがよくわかるし、相手の目を通して、自分のこともわかるようになりますよ。

「言葉の力」は、普段の生活で鍛えられるよ

言葉にするということは、頭の中でモヤモヤと考えていることを、筋道立てて整え、他人に伝わるように表すということ。特に伝えたいことの中心となる「言葉の意味」を正しく捉えることが大切です。この時、自分の伝えたい内容を表す言葉を具体的にイメージしながら話すと、より意味がはっきりしてコミュニケーションがスムーズにできるようになります。普段からできるだけ、たくさんの「言葉」を使う訓練をしておきましょう。

めっちゃヤバイ

ネコを説明する言葉を
10個考えましょう

ネコを説明する言葉を10個考えましょう

・毛並みがふわふわ
・甘えた鳴き声にキュンとくる
・あったかい ・しっぽがしなやか
・肉球の形が不思議
・気まぐれで時々冷たい   ……など

パンケーキを説明する言葉を
10個考えましょう

パンケーキを説明する言葉を10個考えましょう

・甘い ・ふわふわ、もちもち
・季節のフルーツがいっぱい
・クリームがとろける ・カロリーが高い
・友達と一緒に食べたい   ……など

プログラミングにも、「言葉の力」は役立つよ

プログラミングは、コンピューターに、「計算して」とか「この文字を表示して」などの命令をする言葉。一見、特別な言語や記号で書かれているように見えるけど、大切なのは記号そのものではなく、「何をどうやって伝えるか」という、コンピューターに対してのコミュニケーション力です。人と人のコミュニケーションでは、「あれ取って」とか「早く来て」などの指示で大体のことは伝わるけれど、コンピューターには、「あれとは何?」「取ってどうするの?」「早くというのはどれくらい?」「来てというのはどこに?」などということを細かく指定して、決して間違えないように順序立てて伝えてあげなければなりません。逆に言えば、日本語で正しい指示ができる人は、プログラミングも素早く上手にできるようになるということ。「言葉の力」をみがくことが、プログラミングの能力をつける第一歩なのです。

プログラミングにも、「言葉の力」は役立つよ
「言葉」を調べる習慣をつけよう

日常会話や本で、「どういう意味だろう?」と思う言葉に出合ったら、調べる習慣をつけましょう。新しく知った言葉は、どんどん使ってみるといいでしょう。日本語は、同音異義語がたくさんあるから、漢字を思い浮かべながら使うことが、「言葉の力」を身につけるポイントだよ。

同音異義語とは

同音異義語とは、同じ音なのに、意味が違う言葉。漢字で書くと違う意味だとすぐにわかるけれど、話し言葉だと思わぬ勘違いをしてしまうことも……。

「言葉の力」が、「生きる力」になる

答えてくれた人

公益財団法人 日本漢字能力検定協会
左から、管理部 末迫太一さん、
普及企画部 加藤智子さん、橋向武士さん

私たちは漢字を入り口に、皆さんの日本語の力を向上させるお手伝いをする団体です。日本語はひらがな、カタカナという表音文字と、漢字という表意文字が組み合わさった、世界でも珍しい言語です。難しい言語だと言われがちですが、漢字を使うことで短い文章でも意味が通じやすくなるという利点もあります。
日本語の力を向上させることは、思考力やコミュニケーション力を高めることにもつながります。これは、単に国語のテストの点数が上がるということではなく、将来皆さんが仕事をする上でもとても大切な力、生きる力そのものです。どうか、「言葉の力」を大切に、これからも学んでくださいね。

「言葉の力」がきみの世界を広げてくれるよ!

答えてくれた人